【ローマ=倉茂由美子】世界食糧計画(WFP)は7日、X(旧ツイッター)で声明を出し、米政府から14か国に対する緊急食料支援への資金提供を打ち切ると通知を受けたことを明らかにした。WFPは「飢餓に直面する数百万人への死刑宣告になる」と懸念を表明し、米政府に支援継続を求める考えを示した。
米国はWFPの最大拠出国。AP通信によると、14か国にはアフガニスタンやシリア、イエメンなどが含まれており、通知文書は実業家イーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省」の指示で打ち切ると説明していた。開発援助機関「米国際開発庁(USAID)」による事業も含まれており、トランプ政権が進めるUSAIDの「解体」の一環とみられる。
WFP事務局長は、トランプ大統領の政敵で共和党重鎮だったジョン・マケイン元上院議員(故人)の妻シンディ氏が務める。シンディ氏はXで「支援削減は世界の安定を損なう」と批判した。