中国小米(シャオミ)EV事故で自動運転補助機能への懸念高まる:女子大学生3人死亡の悲劇

高速道路での痛ましい事故を受け、中国で自動運転補助機能に対する不安の声が広がっています。安徽省で発生した小米(シャオミ)製EVの事故では、女子大学生3人が命を落としました。この事故をきっかけに、中国の道路には「スマート補助走行注意」といった警告表示が登場し始めています。

事故の概要と自動運転補助機能への疑問

先月29日夜、安徽省の高速道路で小米のEV「SU7」がガードレールに衝突、炎上する事故が発生しました。運転していた22歳の女性と、同乗していた二人の女子大学生が亡くなりました。事故当時、車は時速116キロで走行しており、自動運転補助機能(NOA)が作動していたとされています。障害物を検知してからわずか2秒後に衝突しており、車線の一部が工事で閉鎖されていたことも事故の一因とみられています。一部では、事故直後に車のドアが開かなかったことが脱出を阻んだという疑惑も浮上しています。

altalt高速道路の事故現場の様子。炎上した車両の損傷が激しい。(写真:朝鮮日報日本語版)

この事故は、自動運転補助機能の安全性に対する疑問を改めて投げかけるものとなりました。中国の自動車業界では、自動運転技術の開発競争が激化しており、各社はこぞってスマートドライビング機能をアピールしています。しかし、今回の事故は、技術の進歩に安全対策が追いついていない現状を浮き彫りにしました。

専門家の見解と今後の課題

自動車アナリストの劉志超氏は、自動車メーカー各社が自動運転補助機能の宣伝において、機能の限界や安全上のリスクを曖昧にしている点を指摘しています。また、別のアナリストである白徳氏は、自動運転補助技術の本質はあくまで「補助」であり、自動運転や無人運転とは異なることを強調。行政機関、交通管理部門、自動車メーカー、メディア、SNSなど、関係各方面が協力して、スマート運転に関する技術標準や安全運転の啓発を進めるべきだと提言しています。

altalt事故をうけ、高速道路に設置された「スマート運転をやめてください」という警告表示。ドライバーへの注意喚起が強化されている。

小米CEOのコメントと対応

小米の雷軍CEOは、今回の事故について深い悲しみを表明し、遺族への哀悼の意を示しました。また、小米は事故調査に全面的に協力する姿勢を示しています。

自動運転技術の未来と安全への取り組み

自動運転技術は、私たちの未来のモビリティを大きく変える可能性を秘めています。しかし、その実現には、安全性の確保が不可欠です。今回の事故を教訓として、技術開発だけでなく、安全基準の策定やドライバーへの教育など、多角的な取り組みが求められています。 より安全で安心な自動運転社会の実現に向けて、関係各方面の連携と努力が期待されます。