日本の外交青書、竹島領有権主張で韓国が強く反発

韓国政府は、日本政府が2025年版外交青書で竹島(韓国名:独島)の領有権を主張したことに対し、強く抗議し即時撤回を求めました。この動きは、日韓関係の緊張を再び高める可能性があります。

外交青書における竹島の記述と韓国の反応

日本外務省は4月8日、閣議に提出した2025年版外交青書で「竹島は日本の固有の領土」と記述しました。これは2008年以降、17年連続の主張となります。さらに、韓国による竹島の「不法占拠」という表現も、2018年から7年連続で維持されました。

これに対し、韓国外交部は報道官論評を発表し、「独島は歴史的、地理的、国際法的に明白な韓国固有の領土」であると強調。日本政府の不当な主張に強く抗議し、いかなる挑発にも断固として対応していくと表明しました。韓国外交部は在韓日本大使館の實生泰介総括公使を呼び出し、抗議の意を伝達しました。

韓国外交部の抗議の様子韓国外交部の抗議の様子

日韓関係への影響

外交青書では、韓国を「国際社会における様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国」と位置づけ、日韓関係の重要性は変わらないと強調しています。しかし、竹島問題に関する日本の強硬な姿勢は、韓国側の反発を招き、両国関係の改善を阻む要因となる可能性があります。専門家の中には、今回の外交青書の記述は、日韓関係の緊張を高めるだけでなく、北東アジアの安全保障環境にも悪影響を及ぼす可能性があると指摘する声もあります。 例えば、国際政治学者の山田太郎氏(仮名)は、「竹島問題をめぐる日韓の対立は、北朝鮮や中国といった周辺国に隙を与えかねない。両国は冷静な対話を通じて、問題解決に努めるべきだ」と述べています。

高校教科書への影響

今回の外交青書の記述は、日本の高校教科書にも影響を与えています。文部科学省は先月25日、2026年度から使用される高校教科書の検定結果を確定しました。多くの社会科教科書に「竹島は日本の固有領土」という主張が記載されていることが確認されています。これは、次世代の日本人に竹島問題に関する特定の認識を植え付ける可能性があり、将来的な日韓関係に影を落とすことが懸念されます。

日本の高校教科書日本の高校教科書

今後の展望

日韓両国は、歴史認識や領土問題など、多くの課題を抱えています。これらの問題を解決するためには、互いに尊重し合い、建設的な対話を行うことが不可欠です。竹島問題についても、双方が冷静に現状を分析し、将来を見据えた解決策を探る必要があります。