【TVクリップ】「グランメゾン東京」大貫勇輔 「舞台と映像両立で、記憶に残る俳優、ダンサーに」





料理人・柿谷光(大貫勇輔)は「グランメゾン東京」から「gaku」に寝返って…

 三つ星レストランを目指すフランス料理店を舞台とし、木村拓哉の令和初の連続ドラマ主演も話題の今作で、ライバル店の「gaku」に寝返った料理人、柿谷光(かきたに・ひかる)を演じる。「当初は淡々と演じていた」が、gakuに移ってから、落ち着いた雰囲気の丹後学(尾上菊之助)と平古祥平(ひらこ・しょうへい)=玉森裕太=とのバランスを取るため、「明るく演じて」との注文を現場で受けた。「移る前と違うので、ちょっと悩みました」と苦労したことを明かす。

 ホームパーティーを開くなど普段から料理をするが、苦労は料理人としてのシーンでも。「フランベできる? といわれて」。フランベとはアルコール度数の高い酒を使い、調理中のフライパンなどから炎が上がる、見た目にも派手な調理法。ラム肉のバター炒めにワインを加えるシーンを「練習したけど、右手をヤケドして」と苦笑。「ドラマの現場は対応力がモノを言う」と実感したという。

 もともとはダンサーだ。祖父が体操の五輪強化選手、母や伯母も元体操選手という血筋で、7歳からダンスを始め、17歳でプロダンサーとしてデビューした。

 「もともと芝居は好きじゃなかった」というが、観劇した舞台で「歌や芝居の持つパワーを体感し、自分も表現できるようになりたいと思った」。その後、数々のミュージカルに出演してきた。

 24歳で初めて出演したドラマ「悪女たちのメス」では、大仰に表現するミュージカルの癖が抜けず、「声をもっと小さく。動きも小さく」と注意された。だが昨年の連続ドラマ「高嶺の花」で、神宮流の次期家元を演じて注目され、今年7月期の「ルパンの娘」では、ドラマ内で突然始まるミュージカル調の場面で主人公の幼なじみを演じ、その歌声やダンスで改めて存在感を示した。

 今作は中学の頃から服装をまねするなど憧れた木村と初の共演。現場では「ドラマに対する木村さんの熱がすごくて、なかなか話しかけられない」と苦笑するが、木村がスタッフや他の共演者と話す内容を聞くだけで幸せを感じるという。自身としては「(ダンスなどの)自分の良さを手放す不安があるけど、それができてこそ俳優。勝負のドラマ」と話す。

 「市村正親さんのように、舞台と映像を両立させ、その中で記憶に残る俳優、ダンサーに」との思いを胸に、今日も現場に立つ。    (文化部 兼松康)

おおぬき・ゆうすけ 昭和63年生まれ、神奈川県出身。17歳よりプロダンサーとして数々の作品に出演。バレエ、ジャズ、コンテンポラリー、モダン、ストリート、アクロバットなどあらゆるジャンルのダンスをこなす。テレビでは今年の「やすらぎの刻~道」にも出演。来年2月から、舞台「ねじまき鳥クロニクル」、同7月からのミュージカル「ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~」に出演予定。



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