旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が韓国・加平(カピョン)の教団本部に、総工費約500億円とも言われる壮大な新宮殿「天苑宮」を完成させ、4月13日に完成式典を行いました。日本の信者からの献金も建設資金の一部とみられるこの宮殿は、解散命令を受けた教団の新たな拠点として注目を集めています。
豪華絢爛な新宮殿「天苑宮」完成式典
白い壁が印象的なお城のような「天苑宮」の完成式典には、約5万人が参加。専門家によると、そのうち約8000人は日本からの信者と推定されています。内部は大理石がふんだんに使われた豪華な造りとなっており、創始者・文鮮明氏の生前に建てられた「天正宮」よりも規模も費用も2倍近く大きいとされています。
alt(新宮殿「天苑宮」の外観。まるで城のような壮麗さ。)
式典では、韓鶴子総裁が「天の扉が開かれた」と宣言。教団は、解散命令を受けた日本支部への影響を最小限に抑え、活動を継続していく姿勢を鮮明にしています。
韓鶴子総裁の権威強化と信者へのアピール
専門家は、この新宮殿建設は韓鶴子総裁の権威を強化し、信者へのアピールを目的としたものだと分析しています。宗教ジャーナリストのオ・ミョンオク氏は、「地上天国建設を掲げ、韓鶴子総裁の地位を強固にするためのもの」と指摘。文鮮明氏の影響力を薄れさせ、韓鶴子総裁の権力の象徴として機能させる狙いがあると見ています。
alt(ドローンショーの様子。韓鶴子総裁の顔と「真のお母様」の文字が夜空に浮かび上がる。)
ドローンショーや合同結婚式で活発な活動を演出
11日に行われた前夜祭では、ドローンショーで韓鶴子総裁の顔が夜空に映し出され、「真のお母様」という文字が添えられました。また、別の施設では合同結婚式も開催され、約90カ国から5000組、日本からも1200人が参加したと発表しています。オ・ミョンオク氏は、これらの活動は、解散命令や送金困難な状況下でも、教団が豊かで活発であるように見せるための演出だと分析しています。韓国メディアへの大々的な告知も、信者の参加を促す狙いがあると指摘しています。
日本の解散命令に対する教団の反応
日本での解散命令に対し、教団本部は「自由民主主義国家で前例のないケース」「宗教弾圧」と反発。批判的な姿勢を崩していません。
今後の動向に注目
豪華な新宮殿の完成、大規模な式典、合同結婚式など、解散命令下でも活発な活動を続ける旧統一教会。今後の動向に注目が集まります。