旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が、韓国・加平(カピョン)の教団本部に、総工費500億円ともいわれる壮大な新宮殿「天苑宮」を完成させました。日本の信者からの献金も建設資金の一部になったとみられており、解散命令を受けた日本の教団とは対照的に、韓国では活発な活動を続けています。
豪華絢爛な新宮殿「天苑宮」と5万人規模の記念式典
13日、10年以上の歳月をかけて完成した「天苑宮」の落成式典が盛大に行われました。大理石がふんだんに使われた豪華な内部空間を持つこの宮殿は、創始者・文鮮明氏の生前に建てられた「天正宮」よりも規模が大きく、費用も2倍近くかかっているとの指摘もあります。教団によると、式典には5万人が参加し、日本からも約8000人の信者が駆けつけたといいます。
天苑宮の外観
ドローンショーで韓鶴子総裁の顔を投影 権威付けを図る?
11日に行われた前夜祭では、ドローンショーが夜空を彩り、そのフィナーレには韓鶴子総裁の顔が浮かび上がり、「真のお母様」という文字が添えられました。宗教ジャーナリストのオ・ミョンオク氏はこの演出について、韓鶴子総裁の権威付けを図る狙いがあると分析しています。文鮮明氏の影響力を薄め、韓鶴子総裁の権力の象徴として「天苑宮」を建設したとも指摘されています。
ドローンショーで韓鶴子総裁の顔が浮かび上がる
90カ国5000組が参加した合同結婚式
さらに、別の教団施設では「合同結婚式」が行われ、約90カ国から5000組が参加、日本からも1200人が参加したと発表されました。
解散命令下でも積極的な広報活動
日本での解散命令に対し、教団本部は「自由民主主義国家で前例のないケース」「宗教弾圧」と反発しています。一方で、韓国では活発な活動を続け、多くのメディアに告知を行うなど、信者の獲得と維持に力を入れているようです。オ・ミョンオク氏は、日本からの送金が難しくなる中で、ドローンショーなどの演出で教団の豊かさをアピールし、信徒の参加を促していると分析しています。
合同結婚式の様子
今後の動向に注目
巨額の費用をかけて建設された「天苑宮」は、旧統一教会にとってどのような意味を持つのでしょうか。そして、解散命令を受けた日本の教団と、韓国で活発な活動を続ける教団の今後の動向に注目が集まります。