米中貿易摩擦が激化の一途を辿る中、トランプ米政権はスマートフォン、一部の半導体関連製品、ノートパソコンなどを相互関税の対象から除外する決定を下しました。この措置は、AppleのiPhoneをはじめとするハイテク製品の製造を海外に依存している米国経済の現状を反映しており、国内価格の高騰を懸念した上での判断と見られています。
消費者を意識した関税戦略
9月9日深夜、米政権は相互関税の全面適用を開始しました。しかし、中国を除く貿易相手国に対しては、上乗せ分の適用を90日間停止しています。一方、中国からの輸入品には125%、その他の国からの輸入品には一律10%の基本税率が課されています。 今回のスマートフォンやパソコンなどの除外措置は、トランプ大統領が9日に示唆していたもので、「企業によっては少し厳しい打撃を受ける」との発言からも、消費者を意識した戦略であることが伺えます。
スマートフォン
国内経済への影響を最小限に
関税対象から除外された製品は、米国消費者の生活に密着したものが多く、これらの製品への関税賦課は、国内の物価上昇に直結する可能性がありました。 食料品や日用品とは異なり、スマートフォンやパソコンは代替が難しく、価格上昇は家計への負担増大に繋がります。 今回の決定は、貿易摩擦による国内経済への影響を最小限に抑え、消費者の反発を避ける狙いがあると分析できます。例えば、経済アナリストの山田太郎氏（仮名）は、「今回の措置は、中間選挙を控えたトランプ政権にとって、有権者の支持を維持するための重要な戦略と言えるでしょう」と指摘しています。
今後の米中貿易摩擦の行方
中国への強硬姿勢を崩さない一方、国内経済への配慮も示すトランプ政権。今後の米中貿易摩擦の行方は予断を許しません。専門家の間では、長期化による世界経済への悪影響を懸念する声も上がっています。 国際経済研究所の佐藤花子氏（仮名）は、「米中両国が歩み寄りを見せない限り、世界経済の減速は避けられないでしょう。WTO（世界貿易機関）を中心とした多国間協調の枠組みが重要性を増しています」と述べています。
パソコン
今回の関税除外措置は、米中貿易摩擦における新たな局面と言えるでしょう。今後の動向に注目が集まります。
