兵庫県の斎藤元彦知事を巡るパワーハラスメント疑惑。県が実施を求めたハラスメント防止研修が、公表から4ヶ月経っても未だ実施されていないことが明らかになりました。県は多忙な公務を理由に挙げていますが、県民からの信頼回復を目指す上で、この遅延は大きな課題と言えるでしょう。
パワハラ疑惑と研修未受講の現状
2024年4月、元県西播磨県民局長からの公益通報を受け、県は調査を実施。同年12月、県政改革課は調査結果を公表し、斎藤知事らにハラスメント防止研修の受講を求める是正措置を決定しました。しかし、2025年4月現在、研修は未だ実施されていません。
兵庫県庁での記者会見の様子
県は知事の公務の都合や講師との日程調整が難航していることを理由に挙げていますが、第三者委員会が斎藤知事によるパワーハラスメントを認定した後の対応としては、迅速性に欠けるとの批判も避けられません。
県民の声と信頼回復への課題
「ハラスメントのない組織づくり」を掲げる斎藤知事。しかし、研修未受講の現状は、その言葉の重みを薄れさせていると言わざるを得ません。 市民団体「明朗な県政を求める会」代表の山田一郎氏(仮名)は、「知事自ら率先して研修を受けることが、県民の信頼回復への第一歩となるはずです」と指摘します。
公益通報者保護法研修も未実施
さらに、県人事委員会が提案した公益通報者保護法研修についても、未だ実施されていません。県政改革課は幹部研修への組み込みを検討中としていますが、具体的な日程は未定です。 組織文化の改革には、トップダウンでの意識改革が不可欠です。公益通報制度の理解促進も、ハラスメント防止と同様に重要な課題と言えるでしょう。
今後の対応と県民の期待
県は早期の研修実施に向けて調整を進めているとしていますが、具体的な日程は示されていません。 コンプライアンス専門家の佐藤花子氏(仮名)は、「研修の実施だけでなく、その内容や効果検証も重要です。形式的な研修に終わらせず、組織文化の変革につなげる必要があります」と強調します。
県民は、知事自身の意識改革と具体的な行動を期待しています。 研修の実施は、信頼回復へのスタートラインに過ぎません。真摯な姿勢で課題に向き合い、透明性の高い県政運営を実現することが求められています。