インドで製造されたiPhoneが、米国市場で大きな存在感を示し始めています。2025年3月には、過去最高の輸出額を記録し、インドにおけるiPhone生産の躍進が改めて注目されています。この記事では、インドでのiPhone生産の現状と今後の展望について詳しく解説します。
インド製iPhone、3月の輸出額は驚異の20億ドル！
2025年3月、鴻海精密工業傘下のFoxconnをはじめとするインドのiPhone製造工場が、米国に向けて総額約20億ドル相当のiPhoneを出荷しました。これは単月としては過去最高の輸出額であり、インドにおけるiPhone生産の急成長を象徴する出来事と言えるでしょう。
iPhoneの組み立て工場の様子
ロイター通信が入手した通関データによると、Appleの主要サプライヤーであるFoxconnは、3月に13億1000万ドル相当のiPhoneを輸出し、1月と2月の合計輸出額に匹敵する規模となりました。Foxconnのインドから米国への今年の総出荷額は、すでに53億ドルに達しています。
Tata Electronicsも躍進！インドからのiPhone輸出を牽引
Foxconnだけでなく、Tata ElectronicsもインドからのiPhone輸出を牽引しています。Tata Electronicsの3月の輸出額は6億1200万ドルで、前月比で約63%増加しました。これらの数字は、インドがAppleにとって重要な生産拠点となりつつあることを明確に示しています。
なぜインドでiPhone生産が加速しているのか？
インドでのiPhone生産が加速している背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、Appleは世界最大の市場の一つである米国で十分な在庫を確保するために、生産拠点を多様化する必要がありました。インドは、その戦略において重要な役割を担っています。
米中貿易摩擦の影響も？
また、米中貿易摩擦の影響も無視できません。関税導入によるコスト上昇を懸念したAppleは、インドでの生産を増強することでリスクを軽減しようとしていると考えられます。実際、Appleは貨物チャーター便で600トンのiPhoneを輸送しており、コスト削減への強い意欲がうかがえます。
インド製iPhoneの未来
インドでのiPhone生産は、今後もさらに拡大していくと予想されます。「インド製造」を推進する政府の政策も追い風となり、Appleにとってもインドはますます重要な生産拠点となるでしょう。 テクノロジーアナリストの佐藤一郎氏（仮名）は、「インドは豊富な労働力と成長著しい市場を持つため、Appleにとって魅力的な生産拠点と言えるでしょう。今後、さらに高価格帯のiPhoneモデルの生産もインドに移管される可能性が高い」と分析しています。
インドでのiPhone生産の拡大は、世界経済にも大きな影響を与える可能性を秘めています。今後の動向に注目が集まります。
