2024年の日本の出生数は72万988人(速報値)と、9年連続で過去最少を更新しました。「異次元の少子化対策」も期待された効果を生み出せていない現状に、暗澹たる思いを抱く方も多いのではないでしょうか。暗いニュースばかりが続く中、希望の光を灯す国があります。それがハンガリーです。なんと「2人以上の子どもを持つ母親の所得税生涯免除」という大胆な政策を打ち出したのです。この政策は、一体どのような効果をもたらすのでしょうか?ハンガリーの少子化対策の現状と、日本への示唆を探ります。
ハンガリーの少子化対策:その驚くべき内容とは
ハンガリーは、2010年からオルバーン首相のリーダーシップのもと、世界でも類を見ない少子化対策を展開しています。その特徴は、結婚と出産を強力に後押しする、手厚い経済的支援策です。
多様な優遇措置:住宅購入補助、出産ローン、家族手当
ハンガリー政府は、子どもが生まれた家庭に対し、住宅購入のための補助金を支給するほか、出産前の夫婦には無利子の出産ローンを提供しています。さらに、子どもの数に応じて毎月約5000〜6600円の家族手当も支給されます。これらの施策は、子育てにかかる経済的負担を軽減し、安心して子どもを産み育てられる環境づくりを目指しています。
ハンガリーのオルバーン首相
所得税生涯免除:真の狙いは?
今回発表された「2人以上の子どもを持つ母親の所得税生涯免除」は、世界中の注目を集めています。この政策は、女性の出産と子育てへの経済的なインセンティブを高めるだけでなく、伝統的な家族観を重視するオルバーン政権の姿勢を反映しているとも言えます。
政策の効果と課題:出生率は回復傾向も…
これらの政策により、ハンガリーの出生率は2010年の1.25から2021年には1.59へと回復傾向を見せました。しかし、近年の急激なインフレやコロナ禍の影響もあり、2024年には1.38に低下しています。
政治の限界?それでも日本への示唆は大きい
少子化対策は、政治だけで解決できるほど単純な問題ではありません。しかし、ハンガリー政府の「国を挙げて少子化に立ち向かう」という強い姿勢は、日本にとっても大きな示唆を与えてくれます。
少子化対策のグラフ
結論:日本の未来のために
ハンガリーの少子化対策は、その大胆さと伝統的家族観への回帰という点で賛否両論あるでしょう。しかし、少子化という深刻な課題に真正面から取り組む姿勢は、学ぶべき点が多いのではないでしょうか。日本も、ハンガリーの事例を参考に、より効果的な少子化対策を模索していく必要があると言えるでしょう。