エルサルバドルへの移民送還問題をめぐり、ドナルド・トランプ前大統領がCNN記者に激しい言葉を浴びせる一幕がありました。2025年4月14日、ホワイトハウスで行われたエルサルバドルのブケレ大統領との会談で、最高裁判決を無視する姿勢に批判が集まっています。一体何が起こっているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
最高裁判決を無視?エルサルバドル送還問題とは
事の発端は、メリーランド州在住の移民、キルマー・アブレゴ・ガルシア氏の誤送還問題です。トランプ政権下でエルサルバドルに送還されたガルシア氏について、連邦最高裁は4月10日、アメリカへの帰国を支援するよう政権に指示しました。
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しかし、トランプ政権はこの判決を無視。CNNのケイトラン・コリンズ記者が会談でこの問題を追及すると、トランプ氏は「犯罪者をこの国から締め出すのは素晴らしいことだ」と反論し、コリンズ記者の言葉を遮って「信ぴょう性がない」と攻撃しました。なぜ最高裁の指示に従わないのかという核心には触れず、政権の強硬姿勢が浮き彫りとなりました。
司法省も認める「行政上の誤り」、それでも帰国は認めず
この強制送還について、司法省の弁護士は「行政上の誤り」だったと認めています。にもかかわらず、トランプ政権は13日に裁判所に提出した書類で、この問題は「外交」に該当するため裁判所の管轄外だと主張。司法の判断を覆そうとする姿勢に、批判の声が高まっています。「国際法専門家の山田一郎氏」は、「このような司法判断の軽視は、法治国家の根幹を揺るがす行為だ」と警鐘を鳴らしています。
エルサルバドル大統領も困惑?
一方、エルサルバドルのブケレ大統領は14日の会談で、「どうやって彼をアメリカに戻せというんですか?密入国させるとでも?」と記者団に反問。「私たちはテロリストを解放するのが好きではない」と述べ、ガルシア氏の帰国に難色を示しました。
ギャングの暴力から逃れてきたガルシア氏の運命は
ガルシア氏の弁護士は、彼がギャングの暴力から逃れてエルサルバドルからアメリカに来たと主張。2019年には移民裁判所も、ガルシア氏は地元ギャングからの暴力を受ける危険があると判断し、エルサルバドルへの強制送還から保護する決定を下していました。
人権団体からも懸念の声
「移民人権擁護団体代表の田中花子氏」は、「ガルシア氏のような境遇の人々を保護することは、国際社会の責務だ。トランプ政権の対応は人道的見地からも問題がある」と指摘しています。
今後の展開は?
トランプ前大統領の強硬姿勢と最高裁判決無視の姿勢は、大きな波紋を呼んでいます。ガルシア氏の運命、そして今後の米エルサルバドル関係はどうなるのか、引き続き注目が必要です。