朝ドラで“主役を食った”女優は? スゴい演技で魅せた宝石(1)17歳で母親役を熱演…主演を圧倒した天才は?


清原果耶『なつぞら』(2019)

 広瀬すず演じる奥原なつの成長を中心に描きつつも、とりわけ目を引いたのは、なつの生き別れた妹・千遥を演じた清原果耶ではないだろうか。広瀬すずの芯のある演技もさるごとながら、清原が登場するシーンは、画面の空気が一変するようだった。なつと再会を果たした千遥の心の葛藤や孤独を表情や声に滲ませ、セリフが少ない場面でも、佇まいだけで物語を語る力があった。

 さらに、当時17歳の清原は、キャラクターの成長に合わせ、小学生の娘を育てる30代の母親という難役にもチャレンジ。生き方に悩む女性の内面を、目線の上げ下げや、細かい所作によって丁寧に表現し、シーンによってはヒロインを凌ぐほどの存在感をみせた。

『あさが来た』に続いて2度目の朝ドラ出演を果たし、その確かな演技力でさらなる注目を集めた清原。2021年には『おかえりモネ』でヒロインに抜擢されるとSNSでは歓喜の声が相次いだ。脇役で結果を残してヒロインにステップアップ…という朝ドラの王道を軽やかに歩んでみせた清原の今後の活躍からも目が離せない。

阿部早苗



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