逃げ場のない夢洲、万博会場は悲鳴の嵐…トラブルが続出する大阪万博で起きうる「最悪の事故」


 これだけの巨大イベントなのでしょうがない部分もあるが、スタートからちょっとバタバタしすぎではないか――。

【画像】万博で起きうる「最悪の事故」の場所を会場マップで確認する

 4月13日に開幕した大阪万博で「トラブル」が続いている。

 まず初の逮捕者を出したのは「爆弾騒ぎ」だ。西ゲートを手荷物検査を拒否して通過しようとして80歳男性が持っていた黒いリュックサックを地面に放り投げて、「こんなんいらんわ。あんたにあげるわ。爆弾が中に入っている」と言った。

 結局これは嘘だったが、男性は威力業務妨害の疑いで逮捕。「万博ファンで、楽しみにしていた万博にテンションがあがり、遊び半分の気持ちで言った」とのことだ。

 「火災騒ぎ」も続いている。13日には東ゲート上空に煙や異臭が確認され、消防車8台が駆けつけた。ちなみにこの時、万博協会から報道陣に「撮影NG」の通達が出されたと報じるメディアもあり、ネットやSNSではこの対応を批判する声があがっている。また、15日にはオーストラリアパビリオンで火災報知器が作動し、来場者が一時避難する騒ぎがあった。

 「施設に関するゴタゴタ」も起きた。万博協会は開幕初日の雨によって「大屋根リング」の一部で「雨漏り」が見つかったと発表したが、その後の調査で「雨といの水があふれ出たことが原因とみられる」と修正したのである。

 未だに工事が間に合わず開館していないパビリオンもあるように、今回の万博全体に「ドタバタ感」が漂っているのは否めない。そうなると、やはり来場者として不安になるのが「事故」ではないか。

 危機管理の仕事をしていて何度か実際に目の当たりにしているが、大きな事故の前は、小さなミスやトラブルが多発することがよくある。つまり、大阪万博のドタバタ感はこれから起きる大きな事故の「前兆」かもしれないのだ。

 ご存じの方もいるかもしれないが、大阪万博の西側エリアにはメガソーラーがある。住友電工や大阪信用金庫などの日本企業11社が参加した「大阪ひかりの森プロジェクト」によるもので、その敷地は15ha。東京ドーム3個分にも及ぶ広さだ。約3200世帯分の年間電力消費に相当する約10メガワットを発電する。平成25年10月のスタート時のソーラーパネルは3万6480枚だった。

 もしこの夢洲メガソーラーで火災が発生した場合、大阪万博会場は阿鼻叫喚の大パニックが引き起こされてしまう恐れがある。

 まず、問題なのは「メガソーラー火災はなかなか鎮火できない」という事実があるからだ。例えば昨年4月、宮城県仙台市青葉区の「西仙台ゴルフ場メガソーラー発電所」で何かしらの原因で、ソーラーパネル下の草が引火して火災が発生。ポンプ車など36台が駆けつけて消火活動をしたが鎮火まで22時間かかっている。

 その1カ月前には鹿児島県伊佐市にある「ハヤシソーラーシステム高柳発電所」で蓄電池が発火したと見られる火災が発生。こちらも鎮火まで20時間以上かかっている。

 では、なぜこんなに時間がかかるのか。元麻布消防署長 坂口隆夫氏はメディアの取材にこう答えている。

 「メガソーラーの火災というのは、一つは放水をやっているときに感電をする。パネルの一部が残っていれば、夜間であっても電気の光だとか、火災の炎の光によって発電しちゃうんですね」(FNNプライムオンライン 24年4月16日)

 このような形でメガソーラー火災が長引くことで心配されるのは「爆発」や「有毒ガスの発生」である。先ほど触れた鹿児島のメガソーラー火災では、施設内に併設された大容量のリチウムイオン蓄電池設備のある建屋内で爆発が起きて、消火活動中の消防職員4名が負傷した。

 これを受けて消防庁が「電気設備等における警防活動時等の留意事項について」という以下のような通達を出している。



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