2015年、山口組100周年という節目の年に起きた分裂劇から10年。国内最大の暴力団「六代目山口組」と「神戸山口組」の対立抗争は、ついに終結を迎えるのでしょうか。2025年4月7日、六代目山口組が兵庫県警に提出した「宣誓書」が、抗争終結宣言と波紋を広げています。110周年を迎える今年、山口組は分裂の過去を清算し、新たな一歩を踏み出せるのでしょうか。
宣誓書の内容とは? 組長不在の署名に疑問の声も
提出された宣誓書には、「全国の任侠団体の申し出により、山口組は井上、入江、池田、岡本、宮下との抗争を終結する」といった趣旨が記されていました。井上とは神戸山口組組長の井上邦雄氏、入江、池田、岡本、宮下らは、六代目山口組から見て“造反者”とされる人物たちです。さらに、「処分者」として織田の名も挙げられています。織田氏はかつて神戸山口組の中核組織・山健組の最高幹部でしたが、2017年に離脱し、絆会を結成しています。
六代目山口組の若頭・高山清司
しかし、この宣誓書には、通常トップに記載されるはずの司忍組長の名前がありません。代わりに署名したのは、ナンバー2の若頭・高山清司氏。この異例な事態に、暴力団事情に詳しい専門家A氏は、「組長の名前がないのは異例であり、組織内での力関係の変化を示唆している可能性もある」と指摘します。
高山若頭の署名に込められた意味とは? 分裂抗争の責任を問う声も
2005年、六代目山口組は司忍組長、高山清司若頭という、共に名古屋に拠点を置く弘道会出身者によるツートップ体制となりました。高山若頭は強権的な組織運営で知られていますが、今回の宣誓書への署名は、分裂抗争への責任を自ら負う意思表示とも解釈できます。前出の専門家A氏は、「高山若頭は、自らの責任で抗争を終結させ、組織の再建を図ろうとしているのではないか」と分析しています。
抗争終結は本当に実現するのか? 今後の動向に注目が集まる
今回の宣誓書提出は、10年にわたる抗争終結への大きな一歩となる可能性があります。しかし、抗争終結の真意、そして今後の山口組の動向については、まだ不透明な部分も多く、引き続き注目が必要です。専門家B氏は、「抗争終結宣言は、組織の再編や新たな抗争の火種となる可能性も秘めている。警察当局は、引き続き警戒を強める必要がある」と警鐘を鳴らしています。