お笑いコンビ・にゃんこスターのアンゴラ村長が、初の紙のグラビア写真集『標準体型』（講談社）を2024年7月16日にリリースし、その異例のヒットが大きな注目を集めています。予約段階で大手ネット書店のランキング1位を獲得したことに続き、発売後もネット上で高評価の声が相次ぎ、女性芸人としてはかつてない「グラビアでの成功」を収めている状況です。なぜアンゴラ村長のグラビアはこれほどまでに支持され、従来の常識を覆すヒットとなったのでしょうか。その秘密と魅力を深掘りします。
アンゴラ村長初の紙写真集「標準体型」の表紙。健康的で親しみやすい魅力が際立つ。
ブレイクからデジタル写真集の大成功へ
アンゴラ村長は、2017年の「キングオブコント」で、にゃんこスターのボケとして披露した縄跳びネタが爆笑をさらい、準優勝を飾ったことをきっかけにブレイクしました。当時から、かわいらしいルックスで男性からの人気が高く、そのビジュアルは注目を集めていました。
そうした人気を受け、2024年5月、彼女が20代最後の日にデジタル写真集『151センチ、48キロ』（講談社）をリリースしました。このタイトルは、当時の彼女の身長と体重に由来しており、写真集のために無理にボディをシェイプアップするのではなく、自身にとって健康的に過ごせる「標準体型」（統計的に一番病気にかかりにくいとされるBMI22前後の理想体重を指す）をそのまま生かした内容が特徴です。
このデジタル写真集が異例の1万6000ダウンロードを記録し、出版社も驚くほどの大ヒットとなりました。出版関係者によると、デジタル写真集は紙の写真集に比べて発売のハードルが低い分、競争が激しく、通常「1000ダウンロードで及第点、2000ダウンロード以上でヒット作扱い」とされています。それを踏まえると、アンゴラ村長のデジタル写真集がいかに驚異的な売り上げだったかが理解できます。
紙の写真集『標準体型』が示す新たなグラビアの形
デジタル写真集の成功を受けて発売されたのが、「最初で最後」と銘打たれた紙の写真集『標準体型』です。ありのままの体型を見せるというコンセプトはデジタル版と共通していますが、本作では身長が1cm伸びた（本人いわく猫背矯正のおかげ）、体重が3kg増えた「152センチ、51キロ」の姿を披露。自然体の表情に加え、ドキッとする入浴姿やランジェリーショットなども収録されています。
これに対して、ネット上では以下のような称賛の声が多数寄せられています。
「いろんな写真集見てるけど、標準体型って感じはなかなか出会えない」
「可愛さや綺麗さ、そして色気や無邪気さ、アンゴラ村長の良さがすごく伝わってきました」
「健康体でリアリティがあって親しみやすいところがすごくいい」
これらの声からも分かるように、彼女のグラビアがここまで支持される理由として、その「普通さ」、すなわち「標準体型」が大きく寄与していると指摘されています。
アンゴラ村長の写真集『標準体型』より、水着姿で自然体の笑顔を見せるカット。飾らない美しさが共感を呼ぶ。
「普通さ」がもたらす独自性と共感
グラビア写真集というと、一般的にはプロポーション抜群の女性タレントたちが、作品のために体重を落としたり、筋力トレーニングに励んだりといった厳しい自分磨きを重ね、圧倒的なスタイルを披露するというイメージが強いものです。魅せる体を追求するのは当然のことであり、その努力は称賛に値しますが、あまりにも磨き上げられたスタイルは、どこか現実離れした、非日常的な印象を与えてしまうことも事実です。
そんな中で、もともと親しみやすいルックスで人気があったアンゴラ村長が、ありのままの「標準体型」でグラビアに挑戦したことは、これまでのグラビア界にはなかった大きな独自性とインパクトを生み出しました。過度な加工や理想の追求ではなく、多くの人々が共感できる「普通」の健康的な体型を提示することで、読者はより身近に感じ、親近感を覚えることができたのです。これが、彼女の写真集が単なる一過性の話題に留まらず、異例の大ヒットへと繋がった最大の要因と言えるでしょう。
結論
アンゴラ村長のグラビア成功は、従来のグラビアアイドルのイメージを覆し、「標準体型」というコンセプトが新たな価値観を提示したと言えます。彼女の親しみやすいキャラクターと、飾らないありのままの姿が多くの人々の共感を呼び、単なる写真集のヒットに留まらない、グラビア業界に多様性とリアリティをもたらす可能性を示唆しています。このムーブメントは、今後のグラビア市場に新たな潮流を生み出すかもしれません。
参考文献
