育休パパの意外な過ごし方…「取るだけ育休」の実態と問題点とは?

育児休暇制度が充実する中で、育休を取得しながらも育児に積極的に参加しない「取るだけ育休」のパパが増えているという現状が、SNSなどを中心に話題になっています。語学留学や趣味、副業などに時間を費やすパパもいるようで、本来の育休の目的とは異なる過ごし方に、疑問の声が上がっています。この記事では、「取るだけ育休」の実態や問題点、企業が取るべき対策について、専門家の意見も交えながら詳しく解説します。

育児休暇の現状と「取るだけ育休」の実態

共働き世帯の増加に伴い、男性の育児参加への期待が高まり、育児休暇制度も整備されてきました。しかし、育休を取得した男性の中には、育児以外の活動に時間を費やすケースも見られます。例えば、語学留学や資格取得のための勉強、旅行、趣味への没頭など、育児とは直接関係のない活動に励む「取るだけ育休」と呼ばれるケースです。

育児休暇中の男性のイメージ育児休暇中の男性のイメージ

こうした状況に、妻や家族からは不満の声も上がっています。育児の負担が軽減されず、むしろ家事育児のワンオペ状態が続くことで、精神的なストレスを抱えるケースも少なくありません。

「取るだけ育休」の法的問題点と企業の対応

山田長正弁護士によると、育児・介護休業法上、育児休業の取得自体は法的に認められており、育児への参加方法までは規定されていません。そのため、「取るだけ育休」自体を直接罰することは難しいのが現状です。

しかし、最初から育児に参加する意思がなく、他の目的のために育休を取得した場合は、権利濫用として無効となる可能性も考えられます。その場合、企業は就業規則に基づいて懲戒処分を科すことができる可能性があります。

育休中の副業:注意点と給付金への影響

育休中に副業を行うこと自体は違法ではありません。しかし、勤務先の就業規則で副業が禁止されている場合は、規則違反となる可能性があります。副業を始める前に、会社の就業規則を確認することが重要です。

また、育児休業給付金を受給している場合、副業による収入によっては給付額が減額、もしくは支給停止となる場合があります。一般的に、1ヶ月に10日以上働く場合は給付金が支給されません。副業を検討する際は、ハローワークなどに相談し、給付金への影響を確認しましょう。

育児休暇:本来の目的と意義

育児休暇は、子育てと仕事の両立を支援し、男女ともに育児に参加しやすい社会を実現するための制度です。子どもとの時間を大切にしながら、家族の絆を深める貴重な機会でもあります。

育児休暇を有効に活用するためには、夫婦で事前に育児分担について話し合い、計画を立てることが重要です。企業側も、育休取得者へのサポート体制を整え、育休取得後のスムーズな職場復帰を支援する必要があります。

まとめ:より良い育児休暇制度に向けて

「取るだけ育休」の問題は、育児休暇制度の本来の目的を見つめ直し、改善していく必要があることを示しています。育休取得者自身の意識改革はもちろんのこと、企業や社会全体で育児参加を支援する風土を醸成していくことが、より良い育児環境の実現につながるでしょう。