ローマ・カトリック教会の第266代教皇、フランシスコが88歳でこの世を去りました。アルゼンチン出身のイエズス会士として初めて教皇の座に就き、世界平和と社会正義の実現に尽力したその生涯を振り返ります。
質素な生き方と弱者への眼差し:フランシスコ教皇の軌跡
1936年、アルゼンチンのブエノスアイレスで生まれたホルヘ・マリオ・ベルゴリオ。イエズス会に入会し、司祭として研鑽を積んだ後、2013年3月に教皇フランシスコとして選出されました。その名は、清貧を貫き、弱者救済に生涯を捧げたアッシジの聖フランチェスコに由来します。
alt
教皇フランシスコは、前任者とは異なる、より質素で親しみやすい姿勢で世界中の人々の心を掴みました。華美な装飾を避け、質素な暮らしを送りながら、貧困や格差の問題に積極的に取り組み、弱者への温かい眼差しを常に持ち続けました。
核廃絶への訴えと日本への訪問:平和への強い思い
2019年11月、フランシスコ教皇は38年ぶりに日本を訪問。長崎と広島の被爆地を訪れ、核兵器廃絶を強く訴えました。「戦争は人間の愚行」と述べ、平和構築への協力を国際社会に呼びかけました。この歴史的な訪問は、日本国民に深い感銘を与え、平和への意識を改めて喚起しました。
教皇のメッセージ:世界に響く平和への祈り
フランシスコ教皇は、環境問題にも積極的に取り組み、地球環境の保全を訴えました。現代社会における様々な課題に真摯に向き合い、宗教の垣根を越えて対話を重視する姿勢は、多くの人々に希望を与えました。
呼吸器感染症で入院:惜しまれつつ永遠の眠りに
2024年2月中旬、呼吸器感染症のためローマ市内の病院に入院。治療を受け、退院後は公務に復帰していましたが、2024年4月21日午前7時35分、バチカンのカサ・サンタ・マルタにて88年の生涯を閉じました。
alt
フランシスコ教皇の死去は、世界中の人々に深い悲しみをもたらしました。その温かい人柄と平和への強い思いは、人々の心に生き続け、未来への希望の光となることでしょう。
フランシスコ教皇の遺志を継いで:平和への歩みは続く
教皇フランシスコの教えは、私たち一人ひとりの心に刻まれ、平和構築への道を照らし続けるでしょう。世界平和の実現に向けて、私たちは何ができるのか、改めて考え、行動していくことが重要です。