ロシアのプーチン大統領は、復活祭(イースター)に合わせて一方的に宣言した30時間の一時停戦の終了に伴い、戦闘再開を表明しました。ウクライナ側の停戦違反を主張する一方、民間インフラへの攻撃停止の提案については「検討する」と述べ、今後の動向が注目されます。
復活祭停戦、事実上の機能不全
プーチン大統領は21日、30時間の一時停戦終了に伴い戦闘を再開したとロシアメディアに語りました。ウクライナ側のおよそ5000件に及ぶ停戦違反を主張する一方で、全体的な攻撃の減少を認め、停戦内容の分析を行うと述べました。しかし、実際にはロシアとウクライナの双方が互いを非難し合い、停戦は事実上機能していなかったと見られています。
プーチン大統領
ゼレンスキー大統領の提案とプーチン大統領の反応
ウクライナのゼレンスキー大統領は、復活祭の停戦後も30日間、民間インフラへの攻撃停止を求めていました。これに対し、プーチン大統領は「検討する」と回答しましたが、明確な姿勢を示していません。スムイへのミサイル攻撃を正当化する発言もあり、今後の攻撃継続を示唆しているようにも受け取れます。
スムイ攻撃の正当化とウクライナ非難
プーチン大統領は、今月13日に実施したウクライナ北東部の都市スムイへのミサイル攻撃について、「当時、民間施設で軍の表彰式が行われていた」と主張し、攻撃を正当化しました。さらに、ウクライナが民間施設を軍事目的で利用していると非難しました。 専門家の中には、この主張はロシア側のプロパガンダの可能性もあると指摘する声も上がっています。「民間施設の軍事利用」を口実に、更なる攻撃を正当化するための布石ではないかと懸念されています。 例えば、国際紛争専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「ロシアは以前にも同様の主張を展開しており、注意深く見守る必要がある」と警鐘を鳴らしています。
先行き不透明なウクライナ情勢
プーチン大統領の発言は、停戦への期待を打ち砕き、ウクライナ情勢のさらなる悪化を予感させます。民間インフラへの攻撃停止の提案への回答も曖昧で、今後の動向に注視する必要があります。国際社会は、停戦実現と平和的解決に向けて、更なる努力が求められています。