iPhone低価格戦略とフォルダブル参入でAppleがSamsungに挑む!勝算はあるのか?

AppleがiPhoneの低価格モデルとフォルダブルフォン市場への参入を強化し、Samsungの牙城を切り崩そうとしています。スマートフォン市場の勢力図を塗り替える可能性を秘めたこの戦略、Appleの勝算はどこにあるのでしょうか?そして、立ちはだかる壁とは?

低価格モデル「iPhone SE」でシェア拡大を狙うApple

Appleは長らくiPhoneの基本モデルとプロモデルに注力してきましたが、近年、低価格帯の普及型モデルとフォルダブルフォン市場への進出を加速させています。Samsungが優位に立つこれらの分野で、Appleの挑戦はどのような結果をもたらすのでしょうか?

2023年2月、Appleは3年ぶりに低価格モデル「iPhone SE(第3世代)」を発表し、市場シェア獲得競争に再び火をつけました。市場調査会社カウンターポイントリサーチによると、2023年1-3月期の全世界スマートフォン販売量(最終消費者購買基準)で、AppleがSamsungを抑えて1位を獲得しました。これは2015年の関連調査開始以来、初めての快挙です。

iPhone SE (第3世代)iPhone SE (第3世代)

カウンターポイントリサーチのパク・ジンソク研究員は、「iPhone SE(第3世代)が日本など一部の市場でAppleのシェア拡大に貢献した」と分析しています。AppleはiPhone SE(第3世代)の価格を、従来の普及型SEよりも高く、フラッグシップモデルのiPhone 14基本モデルよりも低い価格帯に設定しました。高価格帯モデルに抵抗感のある消費者にとって、新たな選択肢を提供したのです。また、下半期のiPhone 15シリーズ発売までの空白期間を埋める効果もあったとみられています。

価格戦略と市場の反応

Appleの価格戦略は、消費者のニーズを的確に捉えたものと言えるでしょう。高性能なiPhoneを手頃な価格で手に入れたいという層を取り込むことで、シェア拡大に成功しました。

フォルダブルフォン市場への挑戦

Appleは2024年下半期に初のフォルダブルiPhoneを発売する計画を発表しました。Samsungが牽引してきたフォルダブルフォン市場に、Appleが本格的に参入することで、競争が激化することは必至です。

海外メディアは、AppleのフォルダブルiPhoneがSamsungのGalaxy Z Foldシリーズよりも高価格帯になると予想しています。Samsungは2019年以降、フォルダブルフォン市場をリードしており、現在も高いシェアを維持しています。Appleの高いブランド力と忠誠度の高いユーザー層を考慮すると、来年の市場競争はさらに激化する可能性が高いです。

フォルダブルiPhoneの成功は?

AppleのフォルダブルiPhoneの成功には、いくつかの課題を克服する必要があります。まず、米中貿易摩擦による関税の影響が懸念されます。iPhoneの生産の大部分を中国に依存しているAppleにとって、関税引き上げは大きな痛手となる可能性があります。

また、フォルダブルフォン市場はSamsungが先行しており、すでに一定のシェアを確立しています。Appleが後発として市場に参入するには、革新的な技術や魅力的な価格設定など、差別化戦略が不可欠となるでしょう。

米中貿易摩擦という大きな壁

Appleの挑戦を阻む大きな壁として、米中貿易摩擦が挙げられます。特に、米国の関税政策は不確実性を高めており、Appleの業績に大きな影響を与える可能性があります。

iPhone生産の多くを中国に依存しているAppleにとって、関税引き上げは大きなリスクとなります。価格上昇によるシェア下落、あるいは内部吸収による収益性悪化というジレンマに直面する可能性があります。

市場全体の縮小も懸念

カウンターポイントリサーチは、関税や貿易摩擦によって世界経済の不確実性が高まり、スマートフォンの市場全体の縮小も懸念されると分析しています。Appleだけでなく、スマートフォン業界全体が厳しい状況に置かれる可能性があります。

Appleの低価格戦略とフォルダブルフォン市場への参入は、スマートフォン市場の勢力図を大きく変える可能性を秘めています。しかし、米中貿易摩擦などの課題も存在します。Appleがこれらの課題をどのように克服し、Samsungとの競争を勝ち抜くのか、今後の動向に注目が集まります。