良好な人間関係を築くには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?脳科学者の西剛志氏によると、「感謝を伝えるだけでコミュニケーションは大きく改善される」とのこと。特に、脳の共感力がピークを迎える48歳以降は、感謝の言葉が人間関係を円滑にする上で重要な役割を果たすそうです。今回は西氏の著書『結局、どうしたら伝わるのか? 脳科学が導き出した本当に伝わるコツ』(アスコム)を参考に、感謝の伝え方と脳科学的なメカニズムについて探っていきます。
なぜ感謝を伝えるのが苦手なのか?脳科学的メカニズム
「いつも私の意見に耳を傾けてくれて感謝しています。少しでも改善しようとしてくれてありがとう」
このように感謝の気持ちを伝えるだけで、コミュニケーションは驚くほどスムーズになります。しかし、多くの人が感謝を伝えることを苦手と感じています。その理由について、西氏は脳科学的なメカニズムを挙げています。
実は、脳は相手を認めることが苦手なのです。「感謝を伝えると負けた気がする」「なんだか悔しい」といった感情を抱く人もいるでしょう。これは、相手を認める行為が脳にとって負担となるためです。
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ネガティブ感情が共感力を低下させる
相手を認めるためには共感力が必要ですが、2018年のジュネーブ大学の研究によると、ネガティブな感情を抱いている時は共感力が低下することが分かっています。
脳は自身の状態が悪いと、自己防衛モードに切り替わります。ダメージを受けている状態では、相手に共感している余裕がなくなり、結果として共感力が低下するのです。
日常生活で不満やイライラ、怒りを感じていると、共感力が育ちにくくなり、相手を認めようとする気持ちが薄れてしまいます。恋人や夫婦間で不満が募ると、相手を受け入れることが難しくなるのは、この脳の特性によるものです。共感力が下がれば、感謝を伝えることも難しくなります。
48歳をピークに低下する共感力
さらに別の研究では、ネガティブな状態にある時、相手が無表情なだけでもネガティブな表情をしていると認識してしまう傾向があることが明らかになっています。相手は普段通りなのに、見ているだけでイライラしてしまうのは、このような脳の特性が影響しているのです。
ハーバード大学の研究によると、共感力は48歳でピークを迎え、その後は徐々に低下していきます。
感謝を伝えるための具体的な方法
では、どのように感謝を伝えれば良いのでしょうか?ポイントは、具体的な行動や言葉に焦点を当てて伝えることです。例えば、「いつも資料作成を手伝ってくれてありがとう。おかげで助かっています」のように、感謝の対象を明確に伝えることで、相手への感謝の気持ちがより効果的に伝わります。
また、感謝の気持ちを伝える際には、相手の表情や反応をよく観察することも大切です。相手の反応に合わせて、言葉遣いや表現を調整することで、よりスムーズなコミュニケーションを図ることができます。
まとめ:感謝の言葉で良好な人間関係を築こう
感謝を伝えることは、良好な人間関係を築く上で非常に重要です。脳科学的なメカニズムを理解し、具体的な行動や言葉に焦点を当てて感謝を伝えることで、コミュニケーションを円滑にし、良好な人間関係を築くことができるでしょう。ぜひ、今日から周りの人に感謝の気持ちを伝えてみてください。
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