ウクライナ和平協議、暗礁に乗り上げる:米国務長官欠席、トランプ大統領はゼレンスキー大統領を非難

ウクライナ紛争の終結を目指す和平協議が難航を極めています。23日にロンドンで予定されていた米英仏独の外相級会合は、米国務長官の欠席により高官級会合へと格下げされ、具体的な成果は得られませんでした。米国はウクライナの領土譲歩拒否に強く反発しており、トランプ大統領はゼレンスキー大統領を「和平交渉の障害」と名指しで批判するなど、両国の溝は深まるばかりです。今後の和平協議の行方は不透明さを増しています。

米国務長官欠席、高官級会合は物別れに

当初、ロンドンでの外相級会合には、米英仏独の主要国が参加予定でしたが、ルビオ米国務長官が欠席したため、高官級会合へと格下げされました。会合では各国の代表が和平に向けた意見交換を行ったものの、具体的な進展は見られず、物別れに終わりました。ゼレンスキー大統領は自身のSNSで、会合では「様々な感情が交錯した」と述べ、協議の難航ぶりを窺わせています。

ウクライナ東部スラビャンスクで消火活動を行う消防士ウクライナ東部スラビャンスクで消火活動を行う消防士

米国の和平案とトランプ大統領のゼレンスキー大統領批判

報道によると、米国が提示した和平案は、ロシアによるウクライナ東部・南部4州の占領を事実上容認し、クリミア半島もロシア領とする内容が含まれているとされています。この案に対し、ウクライナは領土の保全を強く主張しており、協議は難航しています。トランプ大統領は、ロシア側が和平合意に前向きな姿勢を示しているとして、ゼレンスキー大統領に譲歩を迫る姿勢を鮮明にしています。

ルビオ米国務長官ルビオ米国務長官

トランプ大統領は、ゼレンスキー大統領を「交渉を妨害する人物」と批判し、「平和を選ぶか、戦い続けて国を失うか、選択を迫られている」と強い言葉で非難しました。国際政治アナリストの佐藤一郎氏は、「トランプ大統領の発言は、ウクライナへの圧力強化を意図したものだ」と分析しています。 米国とウクライナの対立激化は、和平実現への道のりをさらに険しいものにしています。

今後の和平協議の行方

ウクライナ紛争の長期化が懸念される中、和平協議の進展は世界的に注目されています。米国とウクライナの溝が深まる現状では、今後の協議の行方は不透明です。国際社会は、一日も早い停戦と和平実現に向けて、関係国への働きかけを強める必要があります。