韓国の医療システムの深刻な問題点が、重傷外傷分野の権威である李国鍾(イ・グクジョン)院長の発言によって浮き彫りとなりました。李院長は軍医官候補生に向けた講演で、過酷な労働環境や不当な待遇を告発し、若手医師に「脱朝鮮」を勧めるほど強い危機感を表明しました。jp24h.comでは、この衝撃的な発言の背景と韓国医療の現状について詳しく解説します。
ベテラン外科医が語る医療現場の過酷な現実
李国鍾院長は、韓国軍大田病院の院長を務める重傷外傷分野の権威です。14日、忠清北道槐山で行われた医務士官候補生向けの講演で、李院長は自身の経験に基づき、韓国医療システムの深刻な問題点を赤裸々に語りました。
過労死した同僚、いじめ、そして絶望
李院長は、かつて共に外傷外科で働いていた同僚医師が過労で亡くなった事実を明かし、「あなたたちはそうなってはならない」と警鐘を鳴らしました。さらに、自身もソウル大学やセブランス病院の医師、公務員から生涯いじめを受けてきたと語り、「バイタル科には行くな」と若手医師に忠告しました。
李国鍾院長が講演で医療現場の現状を語る様子
これらの発言からは、李院長自身の深い絶望と、韓国医療界の閉鎖的な体質が浮き彫りになっています。日本の医療ジャーナリスト、田中健一氏(仮名)は、「韓国の医療現場は医師の負担が非常に大きく、精神的に追い詰められるケースも多いと聞く。李院長の発言は、そうした現状を象徴するものと言えるだろう」と指摘しています。
若手医師への衝撃的な提言「脱朝鮮」
李院長は、韓国軍大田病院所属の軍医官が米国で医師免許の1次試験に合格したことに触れ、「朝鮮は見込みがないので、あなたも脱朝鮮しなさい」と訴えました。この発言は、韓国の若手医師にとって大きな衝撃を与えたと予想されます。
研修医搾取の構造:医療崩壊の危機
李院長は、韓国の医療システムについて「研修医や修練医を搾取する構造」だと批判しました。教授陣が中間搾取者となり、若手医師に過重労働を強いている現状を指摘し、医療費の値上げを求めても「ばか扱いされる」と嘆いています。
赤字経営の現実と医療の質の低下
李院長は2017年にも、必須医療である外傷分野で年間10億ウォン(約1億円)の赤字を出していると告白し、話題となりました。医療現場の赤字経営は、医療の質の低下に直結する深刻な問題です。
亡命兵士の手術について説明する李国鍾教授
韓国の医療制度に詳しい専門家、朴美淑氏(仮名)は、「韓国では、医療費の抑制政策によって病院経営が圧迫され、医師の待遇も悪化している。この悪循環が医療崩壊につながる可能性もある」と警鐘を鳴らしています。
韓国医療の未来:改革への道は険しい
李院長の一連の発言は、韓国医療システムの深刻な問題点を浮き彫りにしました。過酷な労働環境、不当な待遇、赤字経営、そして医療崩壊の危機。これらの問題を解決するためには、抜本的な改革が必要不可欠です。今後の韓国医療の行方が注目されます。