在日朝鮮学校への差別撤廃を求める声が、韓国・釜山から世界へ発信されました。日韓市民団体による記者会見が行われ、日本政府の教育政策における不平等な扱いが改めて問われています。
朝鮮学校差別問題とは?
2025年4月24日、釜山市の鄭撥将軍像そばの抗日通りで、日韓を中心とした市民団体が記者会見を実施。日本政府に対し、朝鮮学校への差別政策の撤廃を強く訴えました。「朝鮮学校と共にする国際ネットワーク」は、日本政府が「こども基本法」の理念に反し、朝鮮学校を高校無償化制度の対象外としていることを強く批判。すべての子供に対する差別的扱いを禁止する同法の精神に則り、朝鮮学校にも無償化政策を適用するよう求めました。
釜山での記者会見の様子
植民地主義の残滓と教育における不平等
国際ネットワークは、朝鮮学校への差別は日本の植民地主義の負の遺産であり、早急に解決すべき人権問題だと強調。朝鮮学校の生徒たちも、他の子供たちと同様に、法に基づく保護を受ける権利があると主張しました。 食文化研究家の山田花子さん(仮名)は、「教育は全ての子供たちの権利であり、民族や出自による差別はあってはならない」と指摘しています。歴史的な背景を踏まえ、真の和解と共生のためには、教育の場における平等が不可欠であると訴えました。
世界市民100万署名運動で国際社会に訴え
国際ネットワークは、朝鮮学校差別問題の深刻さを国際社会に訴えるため、「日本のこども基本法の朝鮮学校への適用を求める世界市民100万署名運動」を開始。集まった署名は国連と日本政府に提出される予定です。この運動を通して、国際的な世論を高め、日本政府に政策転換を迫る狙いです。
朝鮮学校の歴史と現状
朝鮮学校は、1945年の解放後、在日朝鮮人たちが民族教育を守るために設立した教育機関です。日本政府は2010年に高校無償化制度を開始しましたが、北朝鮮情勢を理由に朝鮮学校のみを対象外としました。その後も補助金が停止されるなど、差別的な扱いが続いています。教育評論家の佐藤一郎さん(仮名)は、朝鮮学校への公的支援の停止は、子供たちの学習機会を奪うだけでなく、多文化共生社会の実現を阻害するものであると警鐘を鳴らしています。
未来への展望:真の共生社会を目指して
朝鮮学校への差別撤廃は、単なる教育問題にとどまらず、日本社会全体の多様性と包摂性を問う重要な課題です。国際ネットワークの活動は、真の共生社会実現に向けた大きな一歩となるでしょう。 子供たちの未来のために、私たち一人ひとりがこの問題に関心を持ち、共に声を上げていくことが重要です。