【ワシントン=塩原永久】米衣料品大手ブルックス・ブラザーズが8日、連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を裁判所に申請した。新型コロナウイルスの感染を防ぐ店舗の営業規制が打撃となり破綻に至ったとみられる。米メディアが報じた。
ブルックス・ブラザーズは創業200年を超え、人気が高いビジネススーツやネクタイは米国の歴代大統領にも愛用されてきた。ただ、近年はカジュアル衣料品やインターネット通販に押されて苦戦。新型コロナ感染症の収束まで長期化する見通しが強まる中、資金繰りが行き詰まり、破綻の観測が浮上していた。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)によると、ブルックスはイタリア系企業家が保有しており、経営立て直しのため、米国内の3工場や店舗の閉鎖を検討していたという。今後は法的手続きのもと、ブランドの買い手を探すなどして再建を模索するとみられる。
米国では新型コロナの流行後、衣料品大手のJクルー・グループや、百貨店大手のJCペニー、ニーマン・マーカスなどの経営破綻が相次いでいる。原油価格の低迷にあえぐ米シェール開発大手のチェサピーク・エナジーも先月末、破産法適用を申請し、苦戦する企業にコロナ禍が追い打ちをかける構図となっている。