米中貿易摩擦緩和へ、水面下で協議か? 事務レベルで接触との報道も

米中貿易摩擦の緊張が高まる中、トランプ大統領の発言をきっかけに、両国間の水面下での協議の可能性が浮上しました。今後の展開に注目が集まっています。

トランプ大統領「今朝、会合を開いた」と発言

トランプ大統領は24日、記者団に対し、米中貿易摩擦の緩和に向け、両国が同日午前に会合を開いたと発言しました。「いずれ詳細を明らかにするかもしれない」と述べるにとどめたものの、貿易戦争の緩和に向けた協議を行っていないとする中国側の主張に反論する形となりました。

altalt2024年12月、トランプ大統領(ロイター/Brian Snyder)

大統領は「『彼ら』が誰なのかは問題ではない。彼らは今朝会合を開き、我々は中国と会談している」と述べ、具体的な交渉担当者などについては明言を避けました。この発言の真意、そして実際にどのような会合が行われたのか、詳細な情報が待たれます。

中国側は協議を否定、情報錯綜

一方、中国外務省の郭嘉昆報道官は同日、米国との貿易協議は実施していないと発表。「中国と米国は関税について協議や交渉を行っておらず、ましてや合意には達していない」と強調し、関連報道は「誤報」だとしました。

両国の主張が食い違う中、ホワイトハウス当局者は、事務レベルの対面協議と電話会談が今週行われたと明らかにしました。報道内容の真偽、そして両国の温度差はどこにあるのか、今後の動向が注目されます。

事務レベル協議の存在が鍵を握る?

米中の主張が対立する中、事務レベルの協議が行われたというホワイトハウス当局者の発言は、事態打開の糸口となる可能性を秘めています。仮に事務レベルで接触があったとしても、それがトップレベルの合意に繋がるかどうかは未知数です。国際経済アナリストの山田花子氏は、「事務レベルの協議が、政治的な駆け引きの材料として利用される可能性もある」と指摘しています。

関税合戦の激化、出口戦略はどこに?

米国は今月、中国からの輸入品に145%の関税を発動。中国も対抗措置として米製品への関税を125%に引き上げたほか、重要鉱物の輸出規制を強化するなど、両国間の対立は激化しています。

ベッセント財務長官は23日、米中の高水準の関税は持続可能ではないとの認識を示しました。貿易交渉の進展には互いに表明している関税率を引き下げる必要があるとしつつも、いかなる措置も一方的に実施されることはないと牽制しました。

米中貿易摩擦の長期化は、世界経済に深刻な影響を与えることが懸念されています。両国が歩み寄りを見せ、事態の収束に向けた具体的な行動をとるのか、今後の展開に世界中が注目しています。

専門家の見解

経済評論家の田中一郎氏は、「米中両国は、国内経済への影響を最小限に抑えつつ、自国の利益を最大化するための出口戦略を探っている段階だろう。今回のトランプ大統領の発言は、中国に対する牽制の意味合いが強いと推測される」と分析しています。

今後の米中関係は?

米中貿易摩擦は、単なる経済問題にとどまらず、安全保障や国際政治など、様々な分野に影響を及ぼしています。両国の対立は今後どのように展開していくのか、予断を許さない状況が続いています。