韓国では、管理職を希望する若者が減少しているという現状をご存知でしょうか?一見、出世意欲が高いイメージのある韓国ですが、実は20~30代の半数以上が管理職を敬遠しているという調査結果も出ています。この記事では、韓国の若者が管理職を避ける理由、そして彼らが目指すキャリアパスを探ります。
出世よりもワークライフバランス?管理職を避ける若者たちの本音
韓国の若者
GLOBE+編集長の玉川透氏は、韓国の若者にインタビューを行い、管理職に対する意識を探りました。多くの若者は、責任の重さや人間関係の煩雑さを理由に管理職を避けているようです。大学院生の男性は「人の上に立つよりも、自分の仕事に集中したい」と語り、29歳の女性会社員は「安定した社員生活を送りたい」と回答。29歳の男性会社員も「人を管理するよりも、自分の仕事に専念する方が気が楽」と本音を明かしました。
これらの声からは、ワークライフバランスを重視し、過度な責任を負いたくないという若者たちの傾向が見て取れます。長時間労働や厳しいノルマといった、管理職につきものの負担を避け、自分のペースで仕事を進めたいという思いが強いようです。
韓国企業の離職率の高さ:起業という新たな選択肢
韓国の会社員
HD現代重工業株式会社の労組幹部、キム・ギュジン氏によると、同社では新入社員の離職率が非常に高く、4年以内で50%以上、10年後には70%が離職するという深刻な問題を抱えているとのこと。
この背景には、若者の起業志向の高まりがあります。社内で出世を目指すよりも、様々な経験を積んでスキルアップし、いずれは自分の会社を立ち上げたいと考える若者が増えているのです。「自分の技術で起業する」という夢の実現は、彼らにとって大きなモチベーションとなっています。
管理職の新たな定義:時代に合ったリーダーシップとは?
韓国の若者のキャリア観の変化は、私たちに管理職のあり方について再考を促しています。従来の「上に立つ」という考え方ではなく、メンバーをサポートし、共に成長していくリーダーシップが求められていると言えるでしょう。人事コンサルタントの朴美玲氏(仮名)は、「これからの管理職は、個々の能力を最大限に引き出し、チーム全体のパフォーマンスを高める役割が重要になる」と指摘しています。
時代に合ったリーダーシップの形を模索することで、企業は優秀な人材を確保し、持続的な成長を実現できるのではないでしょうか。