TBS系日曜劇場『キャスター』が4月13日にスタートしました。阿部寛さん演じるベテランキャスター進藤壮一が低迷する報道番組『ニュースゲート』を立て直すというストーリー。初回視聴率は好調でしたが、ネット上では早くも設定やストーリー展開に疑問の声が上がっています。果たしてこのドラマ、本当に面白いのでしょうか?
キャスター像に違和感?現役ディレクターも疑問視
ドラマ内では、永野芽郁さん演じる崎久保華がバラエティー番組から報道番組に異動し、いきなり総合演出に抜擢されるという設定。しかし、現役の報道番組ディレクターに取材したところ、「現実にはありえない」との回答が。総合演出は通常、40代〜50代のベテランが務める重要なポジションであり、若手がいきなり就任することは極めて稀とのこと。崎久保の年齢は明かされていませんが、25歳の永野さんが演じるには無理がある設定と言わざるを得ません。
日曜劇場『キャスター』に出演する阿部寛と永野芽郁
ご都合主義すぎる展開に視聴者困惑
ストーリー展開にも疑問の声が。進藤が発売前の週刊誌のスクープ原稿を入手するシーンがありますが、週刊誌記者によると、外部に原稿を渡すことは通常ありえないとのこと。また、内閣官房長官が偶然進藤と崎久保の目の前で倒れたり、病院長の研究室から生中継で汚職の証拠が見つかったり、証拠の領収書が鍵のかかっていないデスクに隠されていたりと、あまりにも都合の良い展開が続出。ドラマウォッチャーのくのいちこ氏(仮名)は、「話の面白さを優先させたのかもしれませんが、最近の視聴者はリアルさを求める傾向にあります。あまりにもリアリティーがないと、視聴者も純粋に楽しめなくなるでしょう」と指摘しています。
阿部寛の滑舌にも批判の声
阿部さんの演技力には定評がありますが、今回のキャスター役に関しては「滑舌が悪い」「聞き取りにくい」といった声も。くのいちこ氏は、「阿部さんのモゴモゴした話し方と低い声は、ダークヒーローには似合っていますが、キャスターとしてはどうでしょうか」と疑問を呈しています。
“報道のTBS”を自負する同局が、看板枠の日曜劇場で報道番組をテーマにしたドラマを作るのであれば、もう少しリアリティーにこだわってほしかったという声は少なくありません。今後の展開に期待したいところですが、このままご都合主義的な展開が続けば、視聴者離れにつながる可能性も否定できません。