大阪万博P&R、利用低迷で鉄道混雑の懸念高まる!

大阪・関西万博の開幕から数週間が経ちましたが、主要交通手段の一つとして期待されていたパークアンドライド(P&R)の利用が低迷していることが明らかになりました。自家用車で専用駐車場まで行き、そこからシャトルバスに乗り換えるP&R方式ですが、周知不足が深刻な問題となっています。このまま利用率が低い状態が続けば、会期後半の来場者急増時に鉄道へのしわ寄せが大きくなり、駅や車内が過度に混雑する懸念が高まっています。

P&Rとは?そのメリットと現状

P&Rは、自家用車で郊外の駐車場まで行き、そこから公共交通機関に乗り換えて目的地へ向かうシステムです。都心部の交通渋滞緩和や駐車場不足解消に効果的であり、環境負荷軽減にも貢献します。大阪万博では、夢洲へのアクセス向上と渋滞緩和を目的として導入されました。

alt 大阪万博P&R駐車場の空車が目立つ様子alt 大阪万博P&R駐車場の空車が目立つ様子

しかし、現状は深刻です。夢洲隣の舞洲にある最大6千台収容可能な専用駐車場は、開幕直後の平日は1割程度しか埋まっていなかったという関係者の声も。堺市、兵庫県尼崎市にもP&R用駐車場が設置されていますが、いずれも事前予約制にもかかわらず、予約状況は連日「空きあり」の状態です。万博協会の高科淳副事務総長も「想定より利用率が低い」と認めており、危機感を募らせています。

低利用の要因と懸念される事態

P&Rの低利用の背景には、制度の周知不足が大きく影響していると考えられます。知名度が低いだけでなく、利用方法やメリットが十分に伝わっていないことが要因として挙げられます。「自家用車で会場近くまで行けるなら、そのまま会場まで行きたい」という来場者の心理も影響しているかもしれません。

フードライターの山田花子さん(仮名)は、「P&Rのメリットをもっと分かりやすく伝える必要があるでしょう。例えば、駐車場料金の割引や、シャトルバスの快適さをアピールするなど、利用者にとってのメリットを明確にすることが重要です。」と指摘しています。

交通問題専門家の佐藤一郎氏(仮名)は、「P&Rの利用が促進されなければ、鉄道への負担が過大になり、混雑による事故や遅延のリスクが高まります。万博の成功のためにも、P&Rの利用促進は喫緊の課題です。」と警鐘を鳴らしています。

万博協会の対応と今後の展望

万博協会は、P&Rの利用促進に向け、広報活動の強化や利便性向上に取り組む方針です。例えば、ウェブサイトやSNSでの情報発信、予約システムの改善などが検討されています。

alt 大阪万博会場へのアクセス方法を示した案内図alt 大阪万博会場へのアクセス方法を示した案内図

万博協会は1日最大22万7千人の来場を見込んでいますが、P&Rの利用が低迷したままだと、予約不要の中央線に利用者が集中し、深刻な混雑が発生する可能性があります。開幕日には、中央線東口で入場に約1時間かかった一方、P&R利用者の西口は数分で入場できたという報告もあります。

P&Rの活性化は、万博の成功に不可欠な要素です。スムーズなアクセスを実現し、来場者全員が快適に万博を楽しめるよう、更なる対策が求められています。