アメリカ国民はトランプ大統領の2期目就任から100日が経過した今、政治の現状に強い不満と失望を抱いていることが、CNNが調査会社SSRSに委託した世論調査で明らかになりました。 この不安感は与野党を問わず広がっており、今後の政局に暗い影を落としています。
アメリカ国民の不安と恐怖:トランプ政権への不信感
調査によると、トランプ氏の残り任期に「恐怖を感じる」と回答した人は全体の約4割(41%)に達し、2月から6ポイント、昨年12月から12ポイントも上昇しました。特に民主党支持者や民主党寄りの無党派層においてこの傾向は顕著で、71%が恐怖を感じると回答しています。
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メリーランド州在住のリサ・テイラーさんは無党派層でありながら、2016年の大統領選ではトランプ氏に、2024年の大統領選ではハリス氏に投票した経験を持つ有権者です。彼女は今回の調査で「正直なところ怖い。これまでに起きたこと、これから起きることに恐怖を感じるのは初めてだと思う」と不安を吐露しました。テイラーさんのような不安の声は、アメリカ社会全体の閉塞感を象徴していると言えるでしょう。
政治アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「トランプ氏の言動は予測不可能であり、それが国民の不安を増幅させている。特にSNSを通じた情報発信は、時に誤解や混乱を招き、社会の分断を深める危険性がある」と指摘しています。
抑制と均衡への疑問:行き詰まる政治
調査では、米政府の抑制と均衡の仕組みがトランプ大統領の行動を十分に制御できているかについても疑問視する声が多数を占めました。回答者の56%が議会、50%が裁判所による権力抑制が不十分だと回答しています。
共和党支持層は依然としてトランプ氏への支持を表明していますが、残り任期への熱意は低下傾向にあります。一方、民主党支持層はトランプ政権への抑制が不十分だと感じており、与野党間の溝は深まるばかりです。
共和党と民主党:指導部への不信感
議会共和党指導部への支持率は低迷し、民主党指導部への支持率はさらに低い結果となりました。国民の多くは、どちらの党にも現状を打破する力がないと感じているようです。
ロサンゼルス在住の民主党支持者、グレゴリー・ビクトリアンさんは、「民主党は目を覚まし、トランプ氏に歯止めをかける必要がある」と訴え、党の指導力不足に強い不満を示しました。
アメリカ政治の未来:国民の期待と課題
今回の世論調査は、アメリカ国民の政治に対する深い不信感を浮き彫りにしました。トランプ政権への不安、与野党の指導力不足、そして社会の分断など、アメリカ政治は多くの課題に直面しています。 今後、アメリカ政治がどのようにこれらの課題を克服し、国民の信頼を取り戻していくのか、その行方が注目されます。