韓国の中古取引アプリ「タングンマーケット(당근마켓)」、通称タングンアルバで募集されたアルバイトが、あまりにも低い報酬額で物議を醸しています。一体何が起きたのでしょうか?
タングンアルバで募集された驚きの低賃金アルバイト
4月22日、あるオンラインコミュニティでタングンアルバに掲載された募集内容が拡散され、大きな波紋を呼びました。その募集内容は、ソウル市内の小学校付近から指定場所まで机と本棚を運搬するアルバイト。驚くべきことに、提示された報酬はわずか8000ウォン(約800円)。しかも、応募条件として「軽トラック所有者」が必須で、出発地では一人で積み込み、到着地では一緒に2階まで運ぶ必要があるとのこと。さらに「急募」と付け加えられていました。
ソウル市内の様子
タクシー代にも満たない報酬額に批判殺到
出発地から目的地までの距離は約6.3km。タクシーで移動すると約24分、料金は約1万300ウォン(約1300円)かかります。交通状況によってはさらに費用がかさむ可能性も。つまり、提示された報酬はタクシー代にも満たない額なのです。
この募集内容にネットユーザーからは、「距離を調べたけど、タクシー代にもならない報酬でなぜ応募する人がいると思ったのか理解できない」「家具配送なら地方でも3万〜8万ウォンはかかる。自家用車持ち込みで運搬までさせるなら、最低でも3万ウォンは払うべきだ」など、批判的なコメントが殺到しました。韓国の著名な経済評論家、パク・ソンホ氏も「これは労働搾取にあたる可能性がある。プラットフォーム側は適切な価格設定のガイドラインを設けるべきだ」と指摘しています。
軽トラック所有者への負担も問題視
軽トラックの維持費やガソリン代を考慮すると、実質的な報酬はさらに少なくなります。ネットユーザーからは「軽トラックの維持費、ガソリン代、人件費を考えたら赤字じゃないか」「自分の車を使ってこの金額はありえない。時間も労力も無駄」といった声も上がっています。
タングンマーケットの対応は?
今回の騒動を受け、タングンマーケット側は「個々の取引内容については介入できないが、利用規約に違反する行為があれば適切な措置を取る」とコメント。しかし、具体的な対策については明らかにしていません。
軽トラックのイメージ
今後の課題
今回の件は、プラットフォームにおける適切な価格設定や労働条件の重要性を改めて浮き彫りにしました。タングンマーケットのような中古取引アプリは、手軽にアルバイトを探せる一方で、低賃金労働の温床となる可能性も秘めています。プラットフォーム運営側には、利用者保護の観点から、より一層の対策が求められています。