欧州連合(EU)がロシアのウクライナ侵攻を受けて凍結したロシア資産の一部が、西側投資家に分配される計画が進んでいることが明らかになりました。これは、ロシアによる西側資産の差し押さえに対する対抗措置として注目を集めています。今後の国際情勢への影響は必至です。
凍結資産30億ユーロ、投資家への分配計画
ロイター通信の報道によると、EUが凍結したロシア資産100億ユーロのうち、国際証券決済機関ユーロクリアが保管する30億ユーロが、欧米を中心とした投資家に分配される予定です。この動きは、ロシアが西側投資家の資産を押収したことに対する補償として行われるとみられています。
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EUは2024年末に制裁の仕組みを変更し、資金配分を認める道を開きました。これは、ロシアへの制裁における新たな段階と言えるでしょう。国際金融アナリストの山田一郎氏(仮名)は、「今回の決定は、EUがロシアへの圧力を維持しつつ、自国の投資家保護を優先する姿勢を示したと言えるでしょう」と分析しています。
ロシア中央銀行資産への影響はなし
関係者によると、今回の支払いは、EUが凍結しているロシア中央銀行の2000億ユーロ超の資産には影響しないとのことです。ユーロクリアは、制裁対象のロシア資産の大部分である1800億ユーロを保有しています。
ユーロクリア、ベルギー当局から承認取得
ユーロクリアは今年3月、ベルギー当局から今回の支払いについて承認を得たと報じられています。4月1日付けの文書で顧客に今後の支払いを通知し、「当局から補償金額の凍結解除と支払いに対する承認を受けた」と明記しています。
ウクライナ再建への課題と批判の声
ロシアの凍結資産は、ウクライナ再建への活用が期待されていましたが、今回の決定によりその実現はさらに困難になる可能性があります。一部からは、投資家への分配を優先することに批判の声も上がっています。国際法専門家の佐藤花子氏(仮名)は、「凍結資産の扱いは、国際法上の課題も多く、今後の議論が重要です」と指摘しています。
今後の国際情勢への影響
今回の決定は、EUとロシアの関係だけでなく、国際社会全体の金融システムにも影響を与える可能性があります。今後の展開に注目が集まっています。