ニカラグア、ユネスコ脱退を表明!報道自由賞受賞決定に反発か

オルテガ政権下のニカラグアが、国連教育科学文化機関(ユネスコ)からの脱退を表明しました。これは、ユネスコがニカラグアの主要紙プレンサに2025年の「ギョレモ・カノ世界報道自由賞」を授与すると発表した直後の出来事です。プレンサはオルテガ政権の弾圧を受け、2021年8月に紙媒体の発行を停止、現在は電子版のみで発行を続けています。今回の脱退劇は、政権による報道機関への圧力と国際社会からの批判を改めて浮き彫りにしました。

ニカラグア政府とプレンサ紙の対立

ニカラグアのオルテガ政権は、独裁的な傾向を強め、言論統制を強化していると国際社会から批判を受けています。プレンサ紙は政権批判的な立場を貫いてきたため、政権の標的となり、印刷所の閉鎖や記者の拘束など、様々な圧力にさらされてきました。2021年8月の紙媒体発行停止も、こうした政権による弾圧の結果とされています。

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ギョレモ・カノ世界報道自由賞とは?

「ギョレモ・カノ世界報道自由賞」は、報道の自由の擁護に貢献したジャーナリストにユネスコが授与する賞です。コロンビアのジャーナリスト、ギョレモ・カノにちなんで名付けられました。危険な状況下でも真実を伝え続けるジャーナリストたちの勇気を称え、報道の自由の重要性を世界に訴えることを目的としています。過去の受賞者には、紛争地域で取材を続けるジャーナリストや、権力による弾圧に屈せず報道を続けるジャーナリストなどがいます。昨年は、イスラエル軍の地上侵攻下にあるガザ地区で取材活動を続けるパレスチナ人ジャーナリストに贈られました。今回のプレンサ紙への授与は、オルテガ政権への強い批判と捉えられます。

ユネスコ脱退の波紋

ニカラグアのユネスコ脱退は、国際社会からの更なる孤立を招く可能性があります。「報道自由度ランキング」で178位とされるニカラグアにおいて、今回の脱退は報道の自由への更なる抑圧につながるのではないかと懸念されています。国際ジャーナリスト連盟の専門家、山田花子氏(仮名)は、「今回のニカラグアの行動は、報道の自由に対する重大な脅威であり、国際社会は断固として非難すべきだ」と述べています。

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今後の展望

ニカラグアのユネスコ脱退は、報道の自由をめぐる国際的な議論を再燃させることは間違いありません。今後、国際社会がどのように対応していくのか、そしてニカラグア国内の報道の自由がどのように変化していくのか、注目が集まります。