香り高い焼き立てパンの誘惑に誘われて、ベーカリーに立ち寄る喜びは格別です。しかし、その香りが香水と混ざり合い、思わぬ問題を引き起こしているお店があることをご存知でしょうか?今回は、アメリカのニュージャージー州にあるベーカリーで起こった、ある出来事についてお伝えします。従業員の健康と顧客満足度のバランス、香りのエチケットについて改めて考えさせられる出来事です。
咳の原因は香水?従業員の健康を守るための取り組み
ニュージャージー州ブリッジトンにある「センチュリー・ベーカリー」は、公式Facebookで「強い香りの香水やオーデコロンをお使いのお客様は、ドライブスルーのご利用をお願いします」という異例の呼びかけを行いました。
その背景には、レジ担当の従業員数名が喘息を患っており、特に花粉の飛散が多い時期には強い香りが呼吸困難を悪化させる可能性があるという懸念がありました。さらに、香りは店内に長時間残留し、他の従業員の咳や不快感の原因にもなるとのこと。
お店側は衛生管理に配慮している一方で、香水の使用自体を禁止しているわけではありません。マネージャーのデビー・ディアズさんは、「スタッフが咳をしても、失礼なことを言わないようにお願いしているだけです」と説明しています。
alt
賛否両論!香りのエチケットを考えるきっかけに
この呼びかけに対して、SNS上では様々な意見が飛び交いました。「喘息持ちの人のことを考えてくれてありがとう」「嗅覚過敏に苦しんでいるので感謝します」といった共感の声がある一方で、「他人の香りにケチをつけるのはおかしい」という批判的な意見も。
香りは個人の嗜好であり、TPOに合わせて楽しむもの。しかし、公共の場では周囲への配慮も必要です。 著名な香料研究家、佐藤香織氏(仮名)は、「香りは目に見えない分、影響力も大きい。特に飲食店では、料理の香りを邪魔しないよう、控えめな香りが望ましい」と指摘しています。
alt
従業員の喘息発作がきっかけ
ディアズさんによると、45分の間に来店した4人全員が強い香水を付けていた日があり、その日に従業員が喘息発作を起こしたことが、今回の呼びかけのきっかけになったとのこと。香水が直接の原因かは不明ですが、従業員の健康を守るための対策として、今回の措置に至ったようです。
日本では、香害という言葉も聞かれるようになりました。香りの強さや種類によっては、周囲の人に不快感を与えたり、健康被害を引き起こす可能性も。自分の好きな香りを楽しみつつ、他者への配慮も忘れずにいたいものです。
まとめ:香りへの配慮と共存の道を模索
今回の出来事は、香りを楽しむ自由と、他者への配慮のバランスについて考えさせられるものでした。誰もが快適に過ごせる空間を作るためには、お互いを尊重し合うことが大切です。「センチュリー・ベーカリー」の取り組みは、今後の香りのエチケットを考える上での一つのヒントとなるかもしれません。