兵庫県知事選の再選から3ヶ月、斎藤元彦知事とPR会社メルチュの関係が捜査当局のメスに晒されている。強制捜査の背景には何があったのか、そして今後の展開はどうなるのか。本記事では、その真相に迫る。
メルチュ社の関与と強制捜査の経緯
2023年2月7日、神戸地検と兵庫県警は、PR会社メルチュの事務所や折田楓社長の自宅などを公職選挙法違反(被買収)容疑で家宅捜索し、スマートフォンなどを押収した。これは、2022年11月に行われた兵庫県知事選における斎藤知事の選挙運動へのメルチュ社の関与が問題視されたことによるものだ。
発端は、選挙後、メルチュ社社長が自身のブログに投稿した記事だった。記事には、斎藤知事がメルチュ社の会議室で打ち合わせをしている写真などが掲載され、同社が斎藤氏の選挙運動を支援していたことが示唆されていた。その後、斎藤氏側からメルチュ社に71万5000円が支払われたことが判明し、これが公職選挙法に抵触する可能性が浮上した。
兵庫県知事とPR会社社長のツーショット
斎藤知事側の主張と捜査の進展
斎藤氏側は、支払われた71万5000円はポスターやチラシのデザイン制作費など、公職選挙法で認められた費用の支払いであると主張。メルチュ社によるSNS戦略への関与についてはボランティアであったと説明した。
しかし、地検と県警は告発を受理し、捜査を開始。斎藤氏側から資料の任意提出を受けたものの、メルチュ社側はスマートフォンなどの任意提出には十分に応じなかったという。 この状況を受け、捜査当局は強制捜査に踏み切った。
鍵を握る「中間総括報告書」
捜査当局が強制捜査に踏み切った背景には、「中間総括報告書」の存在がある。これは、有志によって作成された4万字近い文書で、SNS情報の解析や情報公開請求などを通じて集められた証拠をもとに、メルチュ社が斎藤氏の選挙運動に主体的・裁量的に関与していたことを示す内容となっている。
この報告書が捜査当局に提供されたことで、強制捜査の決め手となったと見られている。 著名な選挙コンサルタントであるA氏(仮名)は、「今回のケースは、SNS戦略が選挙運動において重要な役割を果たす現代において、公職選挙法の解釈や適用について議論を呼ぶ可能性がある」と指摘する。
PR会社と選挙戦略会議の様子
今後の捜査の行方
今後、捜査当局は押収したスマートフォンなどの解析を進め、メルチュ社と斎藤氏の間で行われたメッセージのやり取りなどを精査する方針だ。 選挙コンサルタントのB氏(仮名)は、「捜査の焦点は、メルチュ社が提供したサービスが、公職選挙法で認められている範囲を超えていたかどうか、そして斎藤氏側がその認識を持っていたかどうかに絞られるだろう」と分析する。
今後の捜査の進展次第では、兵庫県政に大きな影響を与える可能性も否定できない。 jp24h.comでは、引き続きこの事件の動向を注視していく。