時事通信が8月に実施した世論調査によると、自民党の支持率は前月比0.7ポイント減の15.7%に続落し、2024年10月に発足した石破茂内閣下での最低を更新しました。支持率が16%を切るのは、岸田文雄内閣時代の2024年5月以来、1年3カ月ぶりとなります。特に「40歳代」以下の世代では1桁台となっており、中年層以下の自民党離れが鮮明になっています。
世論調査概要と自民党支持率の動向
この調査は、8月8日から11日にかけて全国の18歳以上の2000人を対象に個別面接方式で実施され、有効回収率は56.9%でした。自民党の支持率は全党で引き続きトップであるものの、世代別に見るとその実態が浮き彫りになります。「18~29歳」では9.2%(前月比2.1ポイント増)と微増したものの、「30歳代」は4.8%(同7.5ポイント減)、「40歳代」は6.3%(同6.7ポイント減)と急落。これらの世代では、参政党と国民民主党の支持率を下回る結果となりました。
自民党本部。時事通信の世論調査で支持率が下落した与党の現状を示す。
他の世代では、「50歳代」が13.6%(同0.8ポイント減)、「60歳代」が15.4%(同1.5ポイント増)、「70歳代」が29.2%(同3.2ポイント増)と比較的堅調でした。2012年12月の自民党政権復帰以降、最も低かった支持率は2024年1月の14.6%ですが、この時でさえ支持率が1桁だったのは「30歳代(9.1%)」のみでした。今回、初めて「40歳代」以下の全ての世代で支持率が1割に届かなかったことは、大きな変化を示唆しています。性別では、男性が17.9%(同0.6ポイント増)、女性が13.1%(同2.3ポイント減)となり、女性からの支持離れが顕著です。地域別では、東京23区と政令指定都市を含む「21大都市」で13.8%(同2.4ポイント減)と、2024年1月を下回る落ち込みが見られます。
他党の支持率と政界の変革
自民党以外の政党支持率は、参政党が7.6%(前月比2.9ポイント増)、国民民主党が6.8%(同3.7ポイント増)、立憲民主党が5.5%(同±0)、公明党が3.7%(同0.6ポイント増)、日本維新の会が2.4%(同0.9ポイント増)、共産党が1.8%(同0.2ポイント増)、日本保守党が1.6%(同0.5ポイント増)、れいわ新選組が1.5%(同0.6ポイント減)の順となりました。この結果、参政党は調査開始以来初めて2位に浮上し、立憲民主党は4位に後退しました。
参議院選挙で議席を大幅に増やした参政党と国民民主党は、支持率の面でもその勢いを裏付けた形です。両党の性別支持率を見ると、参政党は男性10.2%(同3.8ポイント増)、女性4.3%(同1.3ポイント増)、国民民主党は男性8.5%(同4.4ポイント増)、女性4.7%(同2.8ポイント増)でした。両党ともに男性からの支持が大きく伸びており、女性層への支持拡大が今後の共通課題であると言えるでしょう。
石破内閣支持率の現状と世代間格差
一方、石破茂内閣の支持率は27.3%(前月比6.5ポイント増)とやや持ち直したものの、不支持率は49.6%(同5.4ポイント減)でした。発足以来、一度も支持率が3割に達しておらず、政権末期の状況に大きな変化は見られません。
世代別に見ると、「40歳代」以下の世代では支持率が1割台に留まり、「50歳代」「60歳代」も2割台と低迷が続いています。しかし、「70歳以上」の世代では47.1%(同16.5ポイント増)と急伸し、唯一支持が不支持(36.8%)を上回る結果となりました。この結果は、内閣への評価が世代間で大きく異なる現状を示しています。
参考資料
- 時事通信社 (Jiji Press)