日本の有名大学や大学院で、中国人留学生の割合が増加している。その一部には入学試験というハードルを、カネの力で乗り越えてくる者すらいるという。いったい何が起きているのか。
中国人に不正入学を手配する学歴ブローカーが暗躍中!?
日本の出入国在留管理庁によると、’24年末時点で留学の在留資格を持つ外国人は40万人超に達した。
’23年、外国人留学生を「我が国の宝」と呼んだ岸田文雄前首相が打ち立てた、「’33年までに留学生受け入れ40万人」という目標は大幅に前倒しされて達成されたことになる。
しかしそんな宝に、多数の「まがいもの」が紛れ込んでいる可能性がある。
「中国のSNSでは、有償で日本の大学への入学を保証すると謳う『学歴ブローカー』が暗躍しています。『学力・日本語能力不問』と称する者もいて、カネで学歴が買える状況となっています」
そんな衝撃的な事実を明かすのは、中国人ジャーナリストの周来友氏だ。
「入学保証」を謳いSNSで堂々と集客
事実、SPA!が中国のSNS、小紅書(RED)で「日本留学」と検索したところ、留学手続きをサポートするエージェントや、日本での大学受験に特化した学習塾などの投稿に混じり、『保送(入学保証)』、『保分(点数保証)』と銘打つ書き込みにいくつも行き当たった。
そのなかには、「東京大学入学保証400万元(約8000万円)、「国立大学院入学100万元(約2000万円)」などという投稿も。
いったい、この投稿主は何者なのか。SNSに跋扈する学歴ブローカーと思しきアカウントにDMを送ってみたところ、「早慶上智30万元(約600万円)」と謳う業者から返信を得た。
数日間やり取りを続けるうち、相手は不正入学の手口の一部を語りはじめた――。
「日本の多くの私立大学では、留学生向けに書類審査のみか、それに加えて面接という選抜区分を設けている。書類審査は、志望者の過去の実績とそれを証明する書類を添付する必要があるが、それはこちらで偽造する。面接はあっても『形だけ』という大学も少なくないので心配はいらない」
にわかに信じられない説明に唖然とするも、「過去の実績を見せてほしい」と食い下がってみた。すると怪しまれたのか、連絡がぱったり途絶えてしまった。