永平寺の修行僧が女子高生にわいせつ行為か:古刹で発覚した衝撃の不祥事

福井県に位置する「永平寺」は、鎌倉時代の1244年に曹洞宗の宗祖・道元によって開山された大本山であり、古くから禅の道場として国内外に知られる歴史ある古刹です。しかし、その輝かしい歴史に泥を塗る重大な不祥事が発覚し、社会に衝撃を与えています。今年の6月から7月にかけて、永平寺に在籍する20代の男性修行僧が、宿泊研修で訪れていた女子高生14人に対し、臀部などを触るわいせつな行為に及んでいたことが明らかになりました。この事態は、聖なる場所での信頼を大きく揺るがすものとして、広範な関心を集めています。

永平寺で何が起こったのか:女子高生へのわいせつ行為の詳細

今回の不祥事は、愛知県の高校から男女約100人の生徒が永平寺を訪れ、1泊2日の日程で座禅体験などの宿泊研修に参加していた際に発生しました。通常、女子生徒には大部屋、男子生徒には大講堂が割り当てられ、布団の上げ下ろしなどの指導が行われます。しかし、事件当日、大部屋の鍵がなくなるというトラブルが発生し、女子生徒たちは急遽、小さめの二つの部屋に分かれて就寝することになりました。

この人員配置の変更に伴う指導係の不足に目をつけた20代の修行僧は、自ら指導係を買って出た上で、女子生徒たちがいる部屋に侵入。生徒たちがジャージの上から臀部などを触られる事態となりました。当初、女子生徒たちは「偶然手が当たっただけかもしれない」と考え、すぐに声を上げることはありませんでした。しかし、帰りのバスの中で一人の女子生徒が被害を訴え出ると、他の生徒も次々と同様の被害を告白。学校側が緊急のアンケート調査を実施した結果、実に14人の女子生徒が被害に遭っていたことが判明し、中には複数回にわたって身体を触られた生徒もいました。

厳格な規則を破り、なぜ犯行に及んだのか

永平寺はこれまで、全国の高校や大学からの宿泊研修を積極的に受け入れてきました。その際、就寝前後における男子生徒の女子生徒の部屋への入室は固く禁じられ、同じフロアへの立ち入りすら厳しく制限されていました。修行僧が女子生徒用の部屋に入ることは「あり得ない」とされていたにもかかわらず、今回の事件は発生。通路に設置されていた防犯カメラの映像には、当該修行僧が女子生徒の部屋に入っていく様子がはっきりと記録されていました。

永平寺側が事実確認を行ったところ、修行僧はわいせつ行為を認め、「同僚の発言に不満を抱き、イライラして触ってしまった。その後(どのような行動をとったのか)は自分でもよくわかっていない」と説明したと報じられています。関係者によると、本来、この修行僧は女子生徒の指導係ではなかったものの、人手不足の時期に異例の代役が認められ、さらに女子生徒を担当する新任の指導係に対し「俺が教えてやるから」と交代を申し出て部屋に侵入したとのことです。犯行動機とされる「同僚の発言へのイライラ」とは、「指導係でもないのに、なぜ研修に入れ込んでいるのか。本来自分がするべき役割はちゃんと果たせているのか」と揶揄されたことへの腹立ちだったとされています。

女子高生へのわいせつ行為が発覚し、不祥事が報じられた永平寺の参道。女子高生へのわいせつ行為が発覚し、不祥事が報じられた永平寺の参道。

永平寺の対応と今後の影響

永平寺は事態を重く見て緊急役員会を開催し、当該修行僧に対し、最も重いとされる「除籍処分」を下し、修行歴を剥奪した上で下山させました。再発防止策として、約100人いる全修行僧を対象とした勉強会を実施する予定です。しかし、今回の不祥事を受けて、すでに複数の学校が永平寺での宿泊研修を見送る事態となっており、永平寺の信頼と評判に深刻な影響を与えています。

道元の開山以来の歴史を誇る永平寺が、今回の破戒僧による煩悩の行為によって、まさに「修行不足」を露呈し、その名誉に大きな傷を負ったことは、仏教界のみならず社会全体に波紋を広げています。この不祥事が、今後の永平寺の運営や修行体制、そして日本の教育機関と宗教施設の連携にどのような影響をもたらすか、引き続き注目が集まります。

参考文献