ロシアのウシャコフ大統領補佐官は6日、首都モスクワの「赤の広場」で9日に行う第二次大戦の対ドイツ戦勝80周年記念式典と軍事パレードに、中国や旧ソ連構成国など約30の国・地域の首脳や高官が出席すると発表した。また、中国など13カ国がパレードに自国軍を派遣するとした。タス通信が伝えた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記や朝鮮人民軍は発表に含まれておらず、参加は見送られたもようだ。
これに先立ち、ロシアは北朝鮮軍をパレードに招待。パレードに合わせて金氏が訪露する可能性も指摘されていた。ウシャコフ氏によると、北朝鮮からは駐ロシア大使が出席を予定。また、インドからはモディ首相ではなく高官が出席する。
北朝鮮が参加を見送った理由は不明だが、多数の首脳陣が集まる行事への出席に金氏が慣れていないことや、北朝鮮と中国との関係がぎくしゃくしていることが要因となった可能性がある。
北朝鮮の宗主国的立場を自任してきた中国は、北朝鮮がロシアと事実上の軍事同盟条約を昨年締結するなど対露傾斜を強めていることに不満を抱いているとされる。北朝鮮も、朝鮮半島の非核化に言及した昨年5月の日中韓首脳会談の共同宣言を「内政干渉だ」と批判するなど、対中姿勢の変化が指摘されていた。(小野田雄一)