東京メトロ東大前駅(東京都文京区)で7日夜、男性が刃物で襲われた事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された長野県生坂村、職業不詳戸田佳孝容疑者(43)が、男性を切りつけた後、約30秒間にわたって刃物を振り回していたことが捜査関係者への取材でわかった。当日に電車で上京したとみられ、警視庁は乗客を無差別に襲ったとみて、詳しい経緯を調べている。
戸田容疑者は7日午後7時前、同駅に停車中の南北線車内で、大学3年の男性(20)の頭などを包丁(刃渡り約16センチ)で切りつけたとして現行犯逮捕された。調べに黙秘している。
捜査関係者によると、戸田容疑者は電車の切符購入履歴から7日に上京したとみられ、午後4時頃、近くの本郷三丁目駅付近で買い物し、同6時20分頃、東大前駅に入った。トイレに行ったりベンチに座ったりした後、ホーム最前列にいた男性の後ろに並び、電車に乗り込もうとした男性の首を突然無言で切りつけた。
その後、反対側のドア付近まで追いかけると、振り返った男性の額を切り、倒れ込んだ男性の左手にも切りつけたという。さらに刃物を振り上げたが、乗客のネパール国籍の男性(34)らに取り押さえられた。所持品のナップザックからは別の包丁(同18センチ)も発見された。大学生の男性は戸田容疑者を「知らない」と話しているという。