南アフリカ共和国のクルーガー国立公園で密猟者が毒殺したゾウの死体を食べたワシ123羽が大量死したと、公園当局と動物保護団体が8日(現地時間)明らかにした。
南アフリカ国立公園局(SANParks)と絶滅危惧種の動物保護団体(EWT)はこの日の共同声明で「毒殺されたゾウの死体を食べたワシ123羽が大量死した」とし「大量死したワシは絶滅危惧、または深刻な絶滅危惧種に分類されたコシジロハゲワシ102羽、ケープハゲワシ20羽、ミミヒダハゲワシ1羽」と説明した。
この事件について、EWTは「南部アフリカで発生したワシの中毒事故の中で最大規模」として「6日に生きたまま救助されたワシ84羽の中では今朝現在83羽が回復中」と伝えた。
ワシは野生動物の生態系で死んだ動物の死体を食べる役割を果たす。このため、密猟者が毒物で殺害された動物の死体を食べて二次中毒になる危険に特に脆弱だ。一般的にゾウ一匹の死体に数百匹のワシが集まる。
南アフリカ国立公園とEWTは、「大量死したワシが食べたゾウは、身体の一部を採取して不法取引をしようとする密猟者たちによって、公園外郭の辺ぴな地域で毒殺されたものと推定される」と明らかにした。
南アフリカ国立公園は「野生動物の密猟に毒物の使用が増加している」として「今回の事件は南部アフリカ全域で起きる生態系危機の深刻性を示す事例」と強調した。
クルーガー国立公園は南アフリカ共和国東北部のリンポポ州とムプマランガ州にまたがっており、面積は約2万平方キロメートルに達する南アフリカ代表の自然保護区域だ。ここはゾウ、ライオン、サイ、スイギュウ、ヒョウなど「ビッグ5」と呼ばれる主な野生動物を観察できる世界的な生態観光地だ。