「韓国から持ち帰れば米5kgで1500円」「日本人大丈夫?」韓国から見た、令和ニッポンのコメ騒動


● 「令和の米騒動」の深刻化

 昨年より日本国内で続いている「令和の米騒動」。当初は米不足による品薄と価格高騰により、米を買い占める動きが日本全国で広がり、社会的混乱を引き起こしている。

 その後、日本政府が備蓄米の放出を発表し、国民に対して買い占めを控え冷静な対応をするよう呼びかけた。備蓄米が市場に出ることで高騰も落ち着くのではという期待感が見られたものの、結果的に備蓄米が十分に行き渡らないまま、価格はますます上昇を続けている。

 そんな中、ある現象が報じられ、日韓両国で注目を集めた。韓国を訪れた日本人旅行者が現地で米を購入し、日本に持ち帰ったというのだ。その旅行者は韓国の米価格が日本と比較して安いことをSNSに投稿した。これを日本のメディアが取り上げたことで、「韓国で米を買い日本に持ち帰る」という行動が広がりつつある。

 また、韓国のYouTuberもこの問題を自身のチャンネルで「日本の緊急事態だ」と取り上げたり、主要メディアも報道したりと、韓国内でも日本の米騒動への関心が日増しに高まり、在韓日本人たちの間にも波紋が広がっている。

 実は今年に入ってからすぐ、今回の件が日本で報じられるよりも前から、在韓日本人たちの間では「日本に米を持ち帰る」ということがしばしば話題に上っていた。

 筆者も日本に帰国した際、友人から「韓国から米は持って帰らなかったのか?」と質問されたし、実際にスーパーの店頭で米の棚がほぼ空になった状態や、「購入は一家族一点まで」という制限を促す貼り紙を目にした。また「高齢の親が『米が高くて買えない』と嘆いている」という話や、「5人家族で10kgの米は半月も持たないのに、米だけで一カ月の出費が恐ろしいことになっている」といった声も耳にした。

 韓国に戻ってからも、スーパーの精米コーナーで、日本人観光客たちが「日本より米の価格が安い」「米を買って持ち帰るか」と会話しているのを耳にした。これはメディアやSNSの過剰な報道や投稿ではなく現実であり、米問題が想像以上に日本国民の生活に大きな影響を及ぼしていることを痛感したのである。

 韓国の米価は2025年4月末現在、おおむね2kgで7500ウォン(約750円)、5kgは1万5000ウォン(約1500円)、10kgは2万7000ウォン(約2700円)、20kgは5万5000ウォン(約5500円)といった相場である。

 昨年、米問題が起こるまでは、日本の米価は韓国よりも安かったので、短期間でここまで高騰していることは異常と言える。さらに、備蓄米の放出までに時間を要した上に、現在も米不足や高騰が一向に改善される気配がないことを見れば、日本政府に国民の批判や不安の矛先が向かうのも当然のことだろう。

 数年にわたり続いている世界的な物価高騰は、韓国も例外ではなく、国民生活に影響を与えている。しかし日本がいくら他国と比較して物価がまだ安いといっても、国民もすでにできる節約は行っている。もはやどうにもならない段階まで来ているといえるのではないだろうか。

● 韓国米はおいしい?

 韓国から日本へ米が輸出され、その量が過去最大というニュースが報じられると、案の定「おいしくない」「安全性に問題があるのではないか」といった否定的な見方が見られた。この背景には日本人の国産米への強いプライドとこだわり、また外国産、特に中国・韓国産の食品に対しては懐疑的というのが本音だろう。

 一方、一連の日本の米騒動や、韓国が日本へ米を輸出したことについての韓国側の反応は比較的客観的だ。日本を心配する声や、日本政府が早急に対策すべきだというコメントも見られた。



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