ゲイツ氏、45年までにほぼ全資産2000億ドル寄付 マスク氏を批判


ゲイツ氏はウェブサイトに「支援に使えるような資産を持ち続けるには、解決すべき緊急の課題が多すぎる」と投稿。「私の死後にいろいろ言われるだろうが『裕福なまま死んだ』と言われることはしない」とも記した。

ゲイツ氏は、世界最大の援助国である米国からの援助額を削減したトランプ大統領を間接的に批判しつつ、新生児や子ども、母親が予防可能な原因で死亡するのを防ぎ、ポリオ、マラリア、麻疹などの疾病の根絶や、貧困軽減に支援する決意を強調した。英国やフランスなど主要な援助国の削減を挙げ、「世界の富裕な国々が最も貧しい人々を支援し続けるかどうかは不明だ」とも述べ、政府の支援なしに進展できないと指摘した。

トランプ政権の援助縮小は実業家イーロン・マスク氏が率いる「政府効率化省(DOGE)」を中心に行われ、米国際開発庁(USAID)事業の約8割が削減される予定。ゲイツ氏はこれについて、「世界で最も裕福な男(マスク氏)が世界で最も貧しい子どもたちを殺害するというのは決して良い光景ではない」と英紙フィナンシャル・タイムズに述べた。

またロイターに、数十年にわたり低下してきた死亡率が各国政府の資金削減により今後4─6年で劇的に逆転すると警告。資金不足のために「さらに数百人が死亡するだろう」と懸念した。

マスク氏に対して方針変更を最近求めたかとの質問には、援助の今後を決めるのは議会の責任だと指摘した。ゲイツ氏のこうした発言を受け、マスク氏はXへの投稿で「ゲイツはとんでもないうそつきだ」と激しく批判した。

ゲイツ財団は、2000年に当時の妻メリンダさんと共に設立され、後に投資家のウォーレン・バフェット氏も参加した。「GAVIワクチンアライアンス」や「世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)」への支援を含め、これまで1000億ドル規模を提供している。財団は45年末に解散する予定。



Source link