信楽初、火鉢の女性絵付け師「ミッコー」として新聞に出てしまった喜美子。デザインが認められてうれしいものの、新しく入ってきた社員の十代田(そよだ)八郎はなぜか怒っている様子。
新聞記事では全く無視されていた喜美子の師匠・深野心仙先生を、八郎は心から尊敬していたのです。その思いを、優しく受け止める深野先生、そして戸惑いながら新たな出会いに向き合う喜美子が印象的でした。
絵付け火鉢は、焼く前の絵の色と出来上がりが、全く異なります。地味な単色で描いているかのように錯覚しますが、焼くと色鮮やかな絵が浮かびあがるのです。曲面に筆で描くのはとても難しいのですが、戸田恵梨香さんは陶芸と同じく、ここでも手元は吹き替えなしで自ら描いています。
お聞きしたところ、子供の頃に書道を学んでいたということです。指導された先生は、道理で筆の動かし方や力加減が完璧、と納得されていました。ただ手を動かすだけではなく、絵付けに引き込まれていく喜美子のまなざしを表現しながら、ですから、無理なことをお願いしているのは承知で、私も引き込まれてモニター画面に見入ってしまいました。
それにしても深野先生の絵付けチームは楽しくて、笑顔が絶えない撮影が続いていました。一番と二番弟子を演じる夙川アトムさん、三谷昌登さんの息もぴったりで、何げないやりとりにもスタッフが笑いをこらえることがしばしば。しかし来週の放送では転機が訪れます。喜美子の選択にご注目を。
そして!八郎です。演じる松下洸平さんは、舞台を中心に活躍してこられたフレッシュな俳優さんです。距離が近づいていく喜美子と八郎のドキドキ感は見どころの一つ。そして喜美子と八郎が参加する信楽伝統の「火まつり」も。信楽のみなさんに全面的にご協力を頂いて撮影しました。喜美子の運命が大きく動きはじめます。ご期待ください。(制作統括 内田ゆき)