かつて芸能レポーターとして一世を風靡した梨元勝氏。その人生と、彼が明かした芸能界の裏側について、報道カメラマンの橋本昇氏の新刊『 追想の現場 』(鉄人社)から興味深い一部を紹介する。
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芸能界の不都合な真実
梨元氏は1944年東京生まれ。法政大学卒業後、女性週刊誌の契約記者を経てテレビ朝日のワイドショーレポーターとなり、その鋭い眼力と質問で知られるようになった。彼の流儀は、まずタレントの目をしっかりと見据え、「恐れ入ります、梨本です」と挨拶することだった。
「ジャニタレをいじると、出演を断ってくる」
2010年、入院中の梨元氏は、芸能界に触れてはいけないタブーがあることを明かした。SMAPの稲垣吾郎が警察官から免許確認を求められ逃走して逮捕された事件について、週刊誌は報道したがワイドショーは取り上げなかった。この件について梨元氏は次のように語った。
「ジャニタレのゴシップをいじると、ジャニー喜多川が所属のタレントの出演を断ってくる。それを恐れて民放は知らんふりをするわけだ。それを僕はおかしいと言っているんだが……」
実際、梨元氏はジャニーズ事務所のタレントを特別扱いせず、ジャニー喜多川の少年への性加害事件を10年以上前に唯一レポーターとして取り上げていた。しかし、その結果として仕事を減らすことになったという。
梨元氏は自らの芸能ジャーナリストとしての信念を貫き通した。その姿勢は、芸能界の「持ちつ持たれつ」のヨイショ体質に一石を投じるものだった。
2010年8月、梨元勝氏は65歳で静かに息を引き取った。最後まで仕事への情熱を失わなかった彼の生き様は、芸能ジャーナリズムの一つの在り方を示していたと言えるだろう。
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「文春オンライン」編集部/Webオリジナル(外部転載)