気温が上がり、早くも寝苦しい季節の足音が聞こえてきている今日このごろ。OECD(経済協力開発機構)が実施した調査「世界における時間の使い方」(2021年)によると、日本の一日あたりの平均睡眠時間は世界33ヶ国の中で最下位。いまや「睡眠不足」は日本国民が抱える深刻な健康問題だ。睡眠不足に陥らないためには、十分な時間だけでなく、睡眠の質を向上させることも重要。「睡眠の質が向上する朝食の食材ランキング」をチェックしてみよう。
睡眠の質を上げる決め手は「朝食でのトリプトファン」
「眠り」の質の向上には「メラトニン」という、別名「睡眠ホルモン」の分泌が大きく関わっている。このメラトニンの分泌を促すのが、幸せホルモンとして知られている「セロトニン」だ。セロトニンを生み出すには、「トリプトファン」という必須アミノ酸が必要不可欠。トリプトファンは体内で生成することができず、食べ物から摂取する必要がある。しかしトリプトファンを摂取してからセロトニンが分泌されるまでは時間がかかり、一般に約14~16時間かかると言われている。寝る前にトリプトファンを摂取するのではなく、一日の始まりである朝食で接種する必要があるのだ。
睡眠の質が向上する朝食の食材ランキング
「トリプトファン」は、ただ摂取すればいいというわけではなく、「ビタミンB6」「炭水化物」とともにバランスよく摂取する必要がある。では、何を食べれば効率的にバランスよくこれらを摂取できるのだろうか。これらに加え、神経の興奮を抑える効果のある「マグネシウム」、抗ストレス対策の「ビタミンC」を加えた5つの栄養素が多く含まれている、朝食でよく食べる食材10品目におけるランキングをチェックしてみよう。
3位 キャベツ(50g)
3位にはキャベツがランクイン。平均してどの栄養素も含有量が多いが、その中でもビタミンB6 とマグネシウム、ビタミンCを多く含有している。特にビタミンCはトップクラスに多く、ビタミン不足のときにおすすめ。前の晩にスープを作ったり、ホットサンドに挟むなどすると手軽に摂取しやすそうだ。
2位 納豆1パック(40g)
2位にランクインしたのは納豆。トリプトファンとビタミンB6をふんだんに含んでおり、まさに睡眠の質向上にうってつけの食材。さらにマグネシウムも多く含まれており、栄養価の高い食材だ。急ぎの朝でも簡単に食べやすい食材であることもポイント。
1位 バナナ1本(120g)
1位はバナナ。どの栄養素も含有量が多く、栄養別のランキングで見た場合でもトリプトファン以外の全てが3位以内にランクインするオールマイティな食材だ。5つの栄養素以外にも、カリウムや食物繊維が多く含まれており、エネルギー補給にも最適。そのまま食べるだけでもよし、アレンジして朝食に加えるもよしの取り回しのよい食材となっている。