静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)は2日、かねてより指摘されていた「東洋大学法学部卒業」の経歴に関する学歴問題について会見を開き、自身は卒業した認識だったが、確認の結果「除籍」であったことを明らかにしました。5月の初当選後から浮上していたこの疑惑は、今回の会見で新たな展開を見せました。
会見での「除籍」発言の背景
田久保市長の学歴詐称疑惑は、6月25日の市議会で事実確認を求められた際、「代理人弁護士にお任せしている」として明確な回答を避けたことから再燃しました。また、疑惑の発端を「怪文書」と批判するなど、その対応は不可解との指摘も上がっていました。今回の会見は、こうした経緯を踏まえて行われました。
伊東市長 田久保真紀氏のSNSアカウント画像。学歴問題に関する情報発信にも利用されています。
市議会に提示した書面と「卒業証書」の認識
会見では、先立って市議会の正副議長が、卒業を示す書面として田久保市長から見せられたものの、詳細を確認する前にすぐに引っ込められたと証言している「アレ」が何だったのかが焦点の一つとなりました。田久保市長はこれについて、「卒業証書であると私は認識して提示した」と説明しました。
除籍の確認と弁護士の見解
市長は、「6月28日に大学の窓口に行くまでは、本当に自分の中では除籍といったような状況に自分がなっている想定がありませんでした」と述べ、大学側の詳細な状況については「確認中」であるとしました。同席した弁護士は、卒業証書とされる書面について、「卒業証書が本物かどうかということですか?見ました」とし、「アレが普通に考えて偽物とは思わないと思います。何が起きたかは分かりませんが、アレをみて偽物だと思う人はいないと思う」との見解を示しました。
今後の対応と情報拡散の防止
田久保市長は、自身が「本物かどうかを証明できるものを持ち合わせていない」としながら、「これ以上、誤った情報だったり憶測が広がることを第一に防ぎたい」と述べました。さらに、「除籍ですという事実しか確認がとれていない。確認しませんと、推測で物を申し上げらると混乱を招く」として、確認が取れた事実のみを述べる姿勢を示しました。
今回の会見により、伊東市長の学歴問題において、「東洋大学卒業」ではなく「除籍」であったという大学側の事実が明らかになりました。今後、大学側からの詳細な確認結果が待たれるとともに、この問題がどのように進展するかが注目されます。