【エルサレム=福島利之】イスラエル軍は18日、パレスチナ自治区ガザで地上での広範な軍事作戦を開始したと発表した。ガザでの停戦と人質解放を巡るイスラエルとイスラム主義組織ハマスの交渉が17日、仲介国のカタールで再開されたが、軍事作戦を拡大させたことで、交渉の進展は見込めない。
イスラエル軍の声明によると、過去1週間でガザ全域でハマスの武器庫や地下施設など670か所を空爆した。地上作戦を支援するための攻撃だとしている。
軍は、戦車を中部ディール・アルバラハなどに侵攻させるとともに、激しい空爆を続けている。ガザの保健当局は16、17日に計262人が死亡したと発表した。18日は夜明けから昼までに96体の遺体が病院に搬送されたとしている。ガザの保健当局は18日、「さらなる人道状況の悪化を防ぐために国際社会の介入を求める」との緊急声明を出した。
一方、中東の衛星テレビ局アル・アラビーヤは18日、ガザ南部ハンユニスで、ハマスのガザ指導者ムハンマド・シンワル氏(49)の遺体が見つかったと報じた。ハマスは公式に発表していない。イスラエル軍は13日、「ハマスの司令部」だとしてハンユニスの病院を空爆していた。