関西電力高浜原発がある福井県高浜町が1970(昭和45)年度以降、関電側から少なくとも計43億円余りの寄付金を受け取っていたことが23日、町の決算書や関係者への取材で分かった。このうち6割超は高浜原発3、4号機の営業運転が始まる直前の80年代前半に集中。多額の寄付金を提供することで、円滑な原発運営を推進する狙いがあったとみられる。
関電は取材に「相手との関係もあり、個別の寄付実績は差し控える」と回答。電力会社の会計ルールを定めた電気事業会計規則に基づき、有価証券報告書では、電気事業営業費用の「諸費」に計上していると説明した。町は一部の寄付者を匿名とし、使途は「分からない」としている。
77~87(昭和52~62)年に町助役を務めた森山栄治氏(故人)は長年にわたり関電の役員らに金品を提供。同社から町に多額の寄付金が渡っていたことになり、こうした不透明な“原発マネー”の流れを関電の第三者委員会(委員長・但木敬一元検事総長)が検証する可能性もある。