石破茂首相の支持率が低迷している。時事通信の世論調査(4月11~14日実施)では、支持率はわずか23.1%。首相事務所による商品券配布問題の影響が大きいと見られる。一方で、官僚からは答弁能力の高さを評価する声が上がっているという。国民の支持と霞が関からの信頼、このギャップの背景を探る。
支持率低迷の現状
3月に発覚した首相事務所による新人議員への商品券配布問題は、石破首相への批判を招き、支持率低迷の大きな要因となっている。立憲民主党の重徳和彦政調会長も、石破首相の国会答弁の曖昧さを指摘し、政権のガバナンスの機能不全を批判している。
石破茂首相
霞が関からの評価
国民からの支持が低い一方で、官僚からは意外にも高い評価を得ているという。ある省庁の官僚によると、石破首相は国会答弁において、官僚が用意した原稿に頼らず、自分の言葉で話すことを重視しているという。
これまでの首相の中には、答弁で不用意な発言をして野党に追及されるケースもあったが、石破首相はそうしたことがないため、官僚にとっては仕事がしやすいようだ。 政治評論家の山田一郎氏(仮名)も、「 prepared remarksに頼りすぎない姿勢は、時に新鮮で力強く響くこともある。官僚にとっては、予期せぬ発言で振り回されるリスクが減り、仕事がしやすくなるだろう」と分析している。
官僚の支持と国民の支持の乖離
4月18日の参議院本会議では、日米貿易交渉に関するトランプ大統領との会談について、石破首相は詳細を明かさなかった。こうした慎重な姿勢が官僚からの支持につながっている可能性もある。
古市憲寿氏が訪れた石破氏の地元
しかし、国民にとっては、重要な政策に関する情報が十分に開示されないことに不満を抱く人もいるだろう。政治ジャーナリストの佐藤花子氏(仮名)は、「国民は、政治家には丁寧な説明責任を果たしてほしいと考えている。官僚からの評価が高いだけでは不十分だ」と指摘する。
今後の課題
石破首相は、官僚からの信頼を維持しつつ、国民の理解と支持を得るための努力が求められる。具体的には、政策の背景や意図を分かりやすく説明し、国民との対話を積極的に行うことが重要となるだろう。 国民の声に耳を傾け、政策に反映させることで、真の国民のための政治を実現できるかが問われている。