村上信五の考え方の根底にある『半分論』 後輩たちの悩み相談に本音「これ以上、答えられないよ」


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──村上自身が「半分論」と名づけた考え方の根底にあるのは、「まずは二択から考える」「迷ったら半分にする」という発想だ。日々の生活の一場面から具体的なビジネスシーンまでを例に挙げながら、頭のなかにある考えを鮮やかに言語化している。

 この世界に入ってから何をどう選んできたかを改めて考えると、そもそもの始まりは「芸能界に入るか、入らないか」だったと思うんです。さらにいうと、「入れるのか、入れないのか」。入った後もまた、「やれるか、やれないか」「やりたいか、やりたくないか」。その二択がずっと続いた先にいまがある。

 10代の頃、僕は一度だけ仕事をサボったことがあって。それ以外は、たとえ仕事に行きたくない日があったとしても「やる」という選択をしてきた。もしその後に「やらない」という選択をしていたらどうなっていたのだろう、と考えることはありますが、そこを膨らませたところで、得られることってほとんどない。そこはもう妄想の世界であり、考えたところで自分に返ってくることってあまりないんですよね。実際に「やる」という道を選んできたからこそ、いまに至っているわけで、グループの改名といった大きな決断についても同じことが言える。「変えるのか、変えないのか」、その先に「変えるなら次はどうするのか」という次の決断がある。

 ある日突然思い浮かんだ考え方というよりは、これまでを改めて振り返り、言語化していったことで「自分はこんなことを考えていたんだな」と思考を整理することができた。その結果、「思考の解像度がめちゃくちゃ上がった」という感覚です。

■“生みの苦しみ”なし

──「考えなくて良いことは捨てる」「外的評価は組織が得る。自分の中では達成感を享受する」「人にしてあげた事を忘れ、してもらった事に感謝する」──。社会人として腑に落ち、心に刺さる表現も多い。日々、感じたことをメモに取る習慣があるのだろうか。



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